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素敵な彼氏 1巻の感想
2016.06.06 Monday | category:マンガ感想
『青空エール』が完結したと思ったらすぐさまの新連載、流石です。
この作品は、カレシが欲しいのに、これまで出来たことのなかった女の子が、
とある男の子に惹かれ始めていく、といったガールミーツボーイです。
なんというか、少女マンガのラブコメの王道を、今風にしただけの作品といった印象です。
その上、別にファンタジー要素も、転校生も、入れ替わりや生き別れたなんちゃらといった特別設定もない。
はっきり言って普通なんです。どこにも転がっている日常とさえ、思える。
なのに、面白い。読ませる、読まさせられる。
これは尋常じゃなくすごいことだと思うんですよ。
最初の導入部で即カレシが欲しいという目的を明確にして、惹きつけて、
そこからあっという間に、現在の状況や主人公の性格、友人をさらさらっと紹介。
で、インパクトのある男の子登場。更に畳みかけて物語は先へ先へと走り出す。
何この巧みさ?
立て板に水といった淀みのなさ。
作者の河原和音先生の短編集なんかを読んでても感じるのですが、
この方の少女マンガ力には脱帽しかないんですよね。
だって、どれ読んでも面白いんですもん。
キャラの引き立て方や話の構成力もさることながら、
ここぞというときの台詞・モノローグの切れ味、これでしょう。
『素敵な彼氏』だったら、
彼がケーキの上に乗ってるチョコを食べてるときの、
「くち 大きいな」といった、ほんのちょっとした主人公の吐露に、
キャラクターの個性というか、視点がちゃんとあって、
活き活きと感じられるというか、息遣いが聞こえてくるというか。
(バイト時のあかぎれに気付いてフォローしてくれる辺りなんかも素晴らしい)
まあ『友だちの話』に収録されていた『その彼、調べます』の「歯ならびいいなー」を思い出したからなんですけどね。
あれ、すごいよかった……。
ちと脱線してしまいましたが、とにかく巧いとしか言えないんですよ。
応援したくなる女の子や魅力的な男の子の描き方なんかは特に。
ただ、よすぎるが故に、疑念も発生してしまう。
こんなに素敵な女の子ならば、中高の男子はほっとかねーべ、と。
これはもう少女マンガの宿命的なところなんで、
最早突っ込むのは野暮なんでしょうがね。
変身シーンになぜ攻撃しないで待ってるの? みたいなレベルなのかも。
結局今は素敵な彼と出会って、なんかいい感じっぽくなってますしね。
ともあれ、まだ1巻、まだ4話。
この作者の力量ならまだまだ話は続いていって、
素敵な物語を紡いでくれることでしょう。
続きが楽しみでなりません。
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