スポーツマンガと言えば、仲間とともに練習を積み重ね、試合でライバルたちと競い、切磋琢磨し、高め合う。
そんな流れが主流ではないでしょうか。
というか殆どがそうではないかと思います。
ですが、『1/11 じゅういちぶんのいち』は違います。
この作品は、毎話、スポットライトの当たる人物が異なります。
最初こそどの話にも絡んでくる主人公、安藤ソラではありますが、
それ以降はマネージャーであったり、チームメートであったり、
スカウトマンだったり、フリーライターだったり、サッカーとは無縁の単なるクラスメートだったりします。
時間軸もバラバラで、主人公はさっきまで高校生だったかと思えば、
いつの間にかプロになってたり、海外行ってたり、
また高校生に戻っていたりします。
けれど、どの話にも一貫して共通していることがあります。
一人一人の生き様が、丁寧に、克明に、描かれている点です。
世の中には何十億人というもの数の人がいて、その一人一人に人生があります。
人は自分を主軸に置いてしか世界を見つめることができないので、
意識していないと、そういった当たり前のことを失念してしまう気がするのですが、
この作品はそんなある種の驕りとは無縁の、個々人を大切に扱っている作品だと感じます。
本来なら誰もが気付かずに通り過ぎるような、日の当たらない場所にあるドラマを、
すかさず切りぬいてみせるその巧みな技術には舌を巻いてしまいます。
ひとつひとつの話に、ここがいい、ここがすごいというふうに事細かに語ってみせる自信が私にはありますが、
内容に踏み込みすぎるとネタばれになってしまい、未読の方の楽しみを半減させてしまう可能性がありますので、
あまり深くは掘り下げないようにしようと思います。
ただまず間違いなく、現時点でこの作品は傑作だと私は思います。
強いて難点をあげるとすれば、主人公があるキッカケで変わったにしても、ちょっとイイ奴すぎるのと、
このマンガ、女性陣が男前過ぎる(精神面的に)きらいがありますね。
でもまあ、すごく好みのマンガです。
多くの方にお薦めしたい、そう思います。
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