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アニメ映画『AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜』感想。
 
初めに。
ネタばれ抜きに語れる気がしませんので、
原作未読・映画未視聴の方は、各自のご判断でこの記事を読まれるかご判断下さい。











『AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜』感想。


私は田中ロミオが大好きで、この原作も大好きでした。

なんで今更映画化?
とは思いつつも、映画館に足を運びました。

(宮城県でようやく公開され、その当日に行きましたが、この出遅れ感辛いですわ……)



率直に申し上げまして、すごくよかったです!


原作ファンは概ね満足してしまう出来だったのではないでしょうか。
というのも、原作を読むことで感じられる「痛さ」が、そのニュアンス通りに描かれていましたから。


誰にだって、一度は特別な人間だと思い込んだり、
万能なんだと過信してしまう時期ってあると思うんですよね。

でもそれがいつか、夢から醒めるように薄まっていき、
フツーの、取るに足らない凡人なんだと気付いてしまう頃がある。

でも、それを受け入れられない人たちが、妄想で自分を守る他なかった人たちが、
妄想戦士(ドリームソルジャー)として、この作品では描かれる。

主人公、佐藤一郎は中学時代の三年間ずっと妄想戦士をやった結果、
家族との関係が壊れた。
それらを必死に清算して、取り繕って、無事高校デビューを果たす。

が、そこに筋金入りの妄想戦士佐藤良子が現れる。
彼女に過去の自分を見出し重ねながらも、手を差し伸べるところから物語は始まる。


というのはまあ原作をお読みの方は既にご存じだとは思いますが、
とにかく、原作のそういった部分に、この映画は忠実であったと感じました。

勿論、全てを全てそのままという訳でもなく、かなりカットされています。
和やかな空気漂うパートなんかは結構ごっそりいかれてるなと感じました。

ただそれらは全部パンフレットに書かれてました。
監督、構成、脚本の方々のインタビューからそれぞれ、80分の映像を作る上で、
どれを削り、残すかを十分に吟味したといった旨が見て取れます。


私見でしかないのですが、それはかなり功を奏している、と感じました。
良子への関わり方、「痛さ」との向き合っていく様子、そこにのみフォーカスして、
極力他を削ぎ落としていくことにより、テーマがより明確になり、
ひとつの作品として体を成していると思えたからです。


無論原作愛好者としては、この場面も入れといて欲しかったなーとか、
他の妄想戦士の設定とかもっと掘り下げて欲しかったなーとか、
細かいことはつらつらあるんですけど、もうそれはどうしようもないことですもんね。

むしろこれだけテンポよくすぱんすぱん進んで、
かといって途切れずにまとめせてみせたなと感心するくらいでしたし。

加えて、原作だと文章メインですから、もしかしたら本当に良子は魔女なんじゃないかって、
思わせる描写が幾つもあるんですけど、映像だと良子が魔女でないことが丸分かり(隠蔽式とか)なので、
そういった部分も気を払って上手く仕上げてくれたなと思います。


ただやはり、感想をネットで拾ってみると賛否両論があって、
まあこれはもう仕方ないかなって思いますけど。

あと、これは私の読む力が足りないだけなのかもしれませんが、
原作で良子と出会うシーンに出てくる、モヤのようなもの(情報体)って結局なんだったんでしょう?

原作で伏線回収されてないように感じるんですよね、何度も繰り返し読んだはずなんですけど。
映像化された結果、確かになんらかの気体のようなものが動く感じだったんですけど、
あれってなんだったんでしょう。
良子がただの妄想戦士であることとは別に、不可思議なことがあの世界にはあるのでしょうか?


また、これも原作でも感じていたことですが、佐藤一郎スペック高いんですよね。
春休み程度の期間の代償で上手く高校デビューできてたし、
リア充、高橋の声掛けられるほどのルックスや雰囲気な訳ですし。

なんでそんな人が妄想戦士になったのかだとか(まあこれは良子もですけど)、
どうやって短期間で妄想戦士を克服できたのかとか(あの達観した境地はなかなか辿りつけなくない?)、
なんてことを、あれこれ考えてしまいますね。


でもまあなんであれ、私は原作も映画も大好きて立場でいきたいなと思います。
あっと忘れてましたがBGMすごくよかったですし、
EDのCooRieさんもよかったなぁ。安瀬さんの編曲も流石としか。

なのでBD出たら私は買います、はい。
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