久方振りにエロゲーをプレイしました。
その前にやったエロゲがなんなのか、いつだったのかさえ、最早思い出せません。
発売日に秋葉原のソフマップに行くことも、
インスコする時間すら惜しいと齧りつくようにPCを睨みつけていた日々はいずこへ。
そんなエロゲ難民と化した私が、
今更何故このゲームをプレイするに至ったのかについては、
聞くも涙語るも涙の物語が紡がれてしまうということは特になく、
単にご縁があったからという他なく、
とにもかくにも夏季休暇期間にプレイをし、端から端までクリアいたしました。
本当は発売日に入手していたのですが、
そこは社会人の悲しき性。
言い訳がましいことは重々承知ですが、
時間、時間が……。
この前の休日なんてカーシェアでレンタルして、
前泊してまでゴルフコンペですよ。
30℃を優々と超える炎天下の中、
ゴルフクラブを振り回すことで折角の休日が終わるとか虚しくなりません?
……失敬、つい、本音が。
そんな艱難辛苦を乗り越えて辿り着いた長期休暇。
誰に邪魔されることもなく心置きなくプレイできる環境を手にし、
ようやくプレイするところまで漕ぎつけ、二日がかりでクリアしたのです。
その軌跡を、きちんと残しておきたいと思うのはごくごく自然な感情ではないだろうか(反語)。
てなわけでグダグダな前置きはさておきまして、
感想をしたためていきたいと思います。
ストーリーとしては、大きくざっくり2部構成となっております。。
前半は大道芸大会(ライヴ)に参加するための仲間集めと練習、そして本番。
後半は大会で好成績を収めた結果、本大会に召集されることとなり、
寝台列車で会場へ向かい、本大会に臨むまでのお話です。
前半部は、共通√となっており、後半部は個別√です。
それぞれの√について触れていきたいと思います。
【共通√】
この手の美少女ゲームではお馴染みのボーイミーツガールです。
主人公は才能ある魔法使いだったものの、
過去に色々とあって、その道へ進むのを諦めた青年でした。
しかしながら、とある出会いから、ある一人の少女に魔法を教えることになり、
少しずつ何かを取り戻していくお話といったところです。
テキストのテンポはよく、読み手への配慮を感じました。
平易な文体で読みやすく、とくに違和感もなくとても自然です。
少しでも引っかかってしまうと世界観に溶け込めなくなってしまうので、
やはり重要なポイントだと思います。
ストーリーとしても、
みんなで一丸となってひとつのことを成し遂げるというのは、
王道でありつつも、ちゃんと面白かったと思います。
ただ、気にかかるところがなかったと言えば、嘘になるため、
その点については総評で触れたいと思います。
次に各√というか各キャラについてですかね。
クリアした順でいきます。
ここから下はネタバレになるので、
そういうの嫌な方は退避してくださいね。
自己責任でお願いします。
【ルー√】
天真爛漫だけれどもどこかズレたところもある、
若干舌足らずな喋り方をする女の子。
↓の動画をクリックすると声が聴けますよ。
この、はっきり聞こえるのに、
若干舌足らず感の残る喋り方できる声優さんすごくないですか?
SUGOI!
シナリオとしては、恐らくは軽めの発達障害的側面と、
孤児であったことからの、本当の家族ではないという負い目などの問題が、
寝台列車の中で立ち上がってきます。
自身に自信がないのは仕方ない生い立ちなのかなとは思うのですが、
あまりに塞ぎがちというか、大会参加を誘ったときのように、
もっと深く考えず頼れる形でもよかったのではないかと思います。
全体的に重い空気が横たわり、楽しくないですし、
その空気の中、7泊8日の大半を過ごすのは、
周りにとってもいい迷惑のような気がするんですよね。
家族との問題もあまり解消しないまま不完全燃焼な形で終わってしまったのが残念です。
【ペチカ√】
ちびっこい演劇部の先輩。
なんだかんだ面倒見がいい先輩キャラは嫌いじゃないんですが、
なんでこんな口が悪い喋り方なのかよくわかりません。
自分の中では女子高生の無駄づかいのロリが頭に浮かびました。
個別√エレナさんとの確執を解消するお話。
些細なことですれ違って仲違いってのは現実でもよくあることではあるのですが、
そんなに仲がよかったなら、もっと話し合えたと思いますし、
ここまで拗れることってあるのかなと思いました。
お互いがお互いを思い合っているんだから、
そうそう悪くはならないと思ってしまうのですがね。
守りたい、この笑顔。
また、服飾関係のことが妙に手馴れていて、
やりがい的なものを見つかって、そっちの道に歩むことでこの√は終わりを迎えます。
共通√でもそうだったんですが、一回の演劇部員が仕上げられる衣装のレベルを超えていて、
そこに対する説明が薄かったので、こうなることが早い段階で読めていても、納得はいかなかったです。
キャラはいいんですけどね、キャラは。
【クラリス√】
一流のバレリーナになるべくストイックに研鑽を積み続ける10年に一人の逸材だが、
男性恐怖症のため、男性コーチと上手く付き合えておらず、不調といったキャラ。
主人公とやりとりしていく中で、男性恐怖症が薄れていき、惹かれていく。
他の子が好きなんじゃないかとやきもち焼いたり、うわの空で演技して失敗してしまったり。
彼女が作中で恋愛的要素を一番担ってくれていたかもしれません。
銀髪スキーに刺さるキャラデザだと思います。
なんのかんので支え合ってめでたしめでたしです。
【カーレンティア√】
世界でいちばんNGな恋 ネタバレあり感想でも述べていますが、
私は金髪お嬢キャラに滅茶苦茶弱いんだよ。
それだけでも致命傷なのに、声が澤田なつさんだよ。
サクラノ詩の 夏目 藍 先生最高でした。
無理無理無理ゲームセットです。
コールド負けです。
澤田なつさんの台詞の理解度が凄まじくて、驚きます。
台詞の字面だけでなぞっているだけでは絶対に出てこない声が、
シーンとキャラの絵にはぴたりと合わさるんですよ。
こればかりはプレイしていただかないと伝わらないと思いますが、
プレイした方は「わかる……」っていってくださるんじゃないでしょうか。
この作品、ボイス面に関しては文句のつけようがないのですが、
その中でもダントツで素晴らしいのが、カーレンティアですね。
満点花丸です。
シナリオに関しては、名家におけるしがらみだとか、
そういうものが立ちはだかります。
ただ、基本的には会話が主体で、最終的にはカーレンティアさんの才能で黙らせるって感じなので、
折角の山場がそれでいいのかな、とは思ってしまう。
そもそも共通√で、
主人公はカ―レンティアさんの気持ちを裏切ってしまう一幕があり、
なんのかんので仲直りしますけど、
カ―レンティアさんの根源に踏み込んで地雷を爆発させてしまった手前、
本来ああもすんなりわだかまりがなくなるとは考えにくく、
まして恋仲になるのかが疑問です。
カ―レンティアさんが惚れる要素が薄い気がしますね。
【ソフィア√】
メインヒロイン扱いと言っていいのでしょう。
他のヒロインより個別√の尺も長く、えっちなシーンが他キャラより多く優遇されています。
過去は引きこもりだったと明かされます。
変わるきっかけを与えてくれた魔法も、主人公も大切にしたいけれど、
魔法の道に歩むことは、主人公を魔法使いの世界に引き戻すことに繋がりかねず、
何のために頑張っていたのかがわからなくなり、引きこもりを再発。
それでも何のために頑張るのか、
どうして魔法使いになるのか。
その命題と向き合って、彼女は歩み始める、みたいな終わり方。
引きこもりの描写、
鬱っぽい感じは違和感なく描写されていたと思います。
ただ、個人的には「自分にはなんにもない」って思う人の親が、
パン屋で自営業してるってのはあんまりしっくりこなかったです。
サラリーマン家庭で育ったほうが、
そういう気持ちに説得力が出るんじゃないかと。
正に私がそういう家庭で育ったから、
そう思うだけなのかもしれませんが。
パン屋自体に不満はないみたいですし、
お手伝いにもそれなりにしているようで、
それでなんにもないってのはどうなんでしょうね。
【ミヤビ√】
おまけ隠し要素ですね。
語れることは殆どないのですが、
ラーシャの言葉を話すときは口調のガラが滅茶苦茶悪くなるのは、
意表をつかれましたし、面白かったです。
面白かったし可愛かったんですけど、
ただ、最後ぐらいはまともに話せるようにしてあげて欲しかったですね。
また、折角の「和」なキャラなので、
もっと大和言葉というか、古めかしい言葉を使って欲しかったですね。
これは私の好みでしかないのですが、
「口づけ」ではなく「接吻」とか、
「抱いてください」より、「夜伽」とか「契る」とかね。
そういうワードをこういう着物キャラには言ってもらいたいんですよ!
わかりますかっ!!
わかりますよねっ!!
【総評】
雰囲気はいい。テンポもいい。キャラもいい。
でも深みはない。
口あたりはいいけれど、残るものが殆どなく、ひっかからない、と感じました。
全体的によくも悪くも軽い、浅い印象がありました。
例えば、100年に1人とまで謳われるヴァイオリンの才を持つ、
カーレンティア・ヴェリーベルを仲間に勧誘するイベントがありますが、
話を持ちかけたら即OKが出てしまうのは拍子抜けしてしまいましたし、
作曲を殆ど経験していないらしいのに、
やってみたらなんか上手いことできちゃいましたみたいなのはちょっとどうなのでしょうか。
天才という言葉で片付けられ過ぎてはいませんか。
そもそも、何がどう天才なのか、
作品を通してもあまり伝わってこない部分がありました。
粗い言葉で申し訳ないですが、単に上手いだけの人なら恐らくごまんといて、
曲がりなりにも100年に一度と呼ばれるからには、相応の何かがあって欲しいと思います。
他にも、ジャンが便利キャラ過ぎるところとか。
かなり都合の良いキャラと言いますか、
ジェバンニが一晩でやってくれましたに通ずるものがあります。
寸劇の脚本をそれとなくぱぱっと仕上げてしまう辺りなんかは特にそうです。
ヤポン(作中における日本のような国)の神話(天岩戸神話)から着想を得るのはいいのですが、
それはヤポンで育った、ヤポンとのハーフの主人公の役目ではないんですかね。
主人公とジャンで二人で練り上げていくとかならまだしも、任せっきりですし。
何より、かなりの面倒事を引き受けてくれるジャンが出てるCGが一切ない。
報われないにもほどがある。
本人自体はそういったことは気にしない性格なのかもしれませんが、
成果に見合った報酬がぜんぜんないってのはいかがなものか。
見返りを求めないことこそが友情なのだとしても、です。
魔法使いについても、よくわかりません。
魔法使いがどれだけのことができて、その中でも主人公がどれだけすごいのかとか。
そもそも、ひとりの人間が何もないところから、
あんな熱や光を生み出すとしたら怖くないですかね?
登録とか許可とか法的に手続きが必要なレベルで、
個々人の判断でどうこうしていいレベルを超えているような気さえします。
というか、魔法使いがただのショービジネスで終わってるって勿体なくないですか?
「ユニゾン現象」とやらも、
専門機関とかではなく一回の医師が第一人者ってどうなんでしょう。
もっと世界規模で解明しなきゃいけないことがたくさんあるのでは、とか。
加えて言うのであれば、主人公と親の確執も解消されていません。
ヒロインの過去だけ乗り越えさせて、
おいおい自分はどうなんだ、ってなってしまうのが気にかかります。
姉の存在もちょろっと出てきただけなので、
ここはどうにかしていただかないと不完全燃焼感があります。
また、個別√に進んでも立ち表れるのは、
少女たちの抱える過去や問題であって、
なんというか、二人で何かを成していった先の障害というよりは、
主人公ではない人と結ばれることがあってもぶつかっていたことが大半というか、
「彼でなければ起きえなかった」、
「彼とじゃなきゃ乗り越えなれなかった」といった要素が希薄だったように思います。
そういった気になったことを論おうとすれば、
もっともっとあるのですが、
ひとまずはここまでにしておきましょう。
このように、この作品は表面は綺麗なようでいて、
その実、掘り下げが薄いため、心に食い込んでこないのです。
勿体ない、と思います。
ただ、これがシナリオライターの判断なのか、
制作会社の考えなのかは、わかりません。
私個人は、気持ち悪いくらい踏み込んで、作り込んでいる作品が好きなのですが、
必ずしもそれがウケるとは言えませんし、
敢えてキャラゲーに特化し、
細かいことはいいんだよ、わかりやすく可愛くてエモくて萌えられれば!
というスタンスなのかもしれません。
そしてそういったもののほうが、実際売れるのかもしれません。
私は業界の人間ではないので、自分の嗜好でしか語れませんが、
個人的には、もっともっと踏み込んで尖った作品にして欲しかったなと、そう思います。
キャラクターはとても魅力的だっただけに、だからこそ惜しいと思います。
点数を付けるのであれば、
65〜70点。
この辺りではないでしょうか。
最後にとてもよかったところをひとつ。
ソフィア√でのクラリスと、
同じくソフィア√のペチカ。
このあたりの台詞には、彼女たちが自身の人生を歩んで、
そこから生まれた経験として出てきた言葉で話していると感じさせる説得力がありました。
そういったものを、「キャラクターの息遣いが聞こえてくる台詞」と私は呼んでいるのですが、
それがこの作品にもちゃんとありました。
これはとても素敵なことで、いいことです。
こういったエピソードがもっともっと、
特にモブキャラとかからも聞こえてくると、深みが増すと思うんですよね。
蛇足ですが、思ったことは取り敢えず言いたい質なので……、
個人的には魔法がテーマのひとつにあったので、
十数年前にプレイした「はぴねす!」が思い返されました。
懐かしいですね。
大会までなんだかんだみんなと頑張るのは、
「サクラノ詩」の「櫻達の足跡」とか。
そんなこんなで感想でした。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
月姫のリメイクをぽちったので、
そのプレイと感想をいつかあげるかもしれません。
あがったらよろしくお願いします。
それではでは。
ハクソ―・リッジを観ました。
会社の先輩に勧められたので。
折角観たので、忘れないうちに感想を残しておこうと思い立ち、
久々にブログを更新しております。
ご無沙汰でお恥ずかしい限りですが、
常々何かしら書きたいとは思っているんですよ、本当に。
予告編を見ていただければ、
大体の内容は察せられると思います。
ちなみに私はどんな内容か殆ど理解しないまま、
Amazon Prime Video での視聴に入りました。
感想としては、非日常過ぎて、実感がわかず、
絵空事のような、雲を掴むようなお話に見えました。
これは実話なのだそうです。
銃を持たない衛生兵が、多くの兵士を救ったお話。
その精神の尊さ、崇高さを認めないわけにはいかないのですが、
あまりに価値観が周囲と合っておらず、
それを貫き通せるだけの理由が、
あの映画の中では描き切れていなかったのではないかと感じました。
現代を生きる私ですら、
相手が銃を構えるのであれば、こちらも銃を手に取らなければならないと考えます。
まして戦時中です。
どれだけ異端で、後ろ指をさされたのかなんて、想像に難くないでしょう。
それでも折れなかった信念の強さの根拠が、どうも不足していたように思います。
ここがより克明に鮮明に描き切っていたなら、
私はこの作品に深く没入し、手放しで褒め称えることができたのかなと思う次第です。
戦争関連の映画はどこまでいっても、
「戦争はよくないよね、悲惨だよね、醜いよね」以外の感想が出にくく、
素直に楽しんだりできないので、不得意なジャンルです。
難しいことはわかりませんが、
実際に手を出してしまった時点で、
必ず不幸はつきまとうものなのでしょう。
理想論と言いますか、最善なのは、
「そもそも手を出させない」ことと聞いたことがあります。
そんなことしたらかえって損だよって状況を作り上げることとか、あれやこれや。
それが各国、核を持つことだったりするなんてのは、
なかなかに皮肉な話です。
横道に逸れてしまいました。
他に感想を付け加えるとすれば、映像の壮大さ、迫力は凄かったですね。
本当にこんなに激しい銃撃戦だったのかは知りえないのですが、
こんなの絶対に耐えられないし、ただただ虚しく悲しくなります。
これが数十年前まで当たり前のように横たわっていた世界だと思うと、
とても不思議で、やはり現実感が色褪せていってしまう。
ただ、これまでの歴史を振り返ってみれば、
現代こそが異端なのだと思いますし、これがいつまでも続くのかさえ、よくわかりません。
願わくば一日も長く平和でありつづけて欲しいと思いながらも、
この後、風呂上がりに食べるようとっておいた、
いいとこのどら焼きを楽しみにして筆をおかせてもらいます。
]]>
コロナまじヤバいですよね。
日本経済どうなっちゃうのって感じですよね。
残念ですけど、どこにも行けないですよね。
私も私で、東京のオフィスに出社するはずが、
ここ1カ月、千葉のオフィスに通っているくらいですし。
(色々あって、テレワークも1回だけ経験しましたが、基本出勤)
そんな慌ただしい社会情勢の中、ちょっと出かけてきました。
警察署までね……。
4月25日の夜、車に撥ねられたので!
仕事終わりの帰宅途中、青信号の横断歩道を自転車漕いでたら、
右折しようとする自動車と衝突。
イメージ図はたぶんこんな感じだったんじゃないかと。
(再現CGメーカーで即席で作りました。
初めて使いましたが難しいですね、これ)
撥ね飛ばされ、1分くらい蹲って立ち上がれず。
加害者の方々に引きずられるようにして歩道側へ避難。
救急と警察を呼んでもらい、生まれて初めて救急車で搬送。
レントゲンを撮っていただいて、消毒等の手当てもしてもらって、
はいさよなら。
骨は折れてないし、入院は必要ないでしょうってことでした。
土曜日で専門もいないから、月曜日にまた来てくれと言われ、帰されました。
自分でタクシー呼んで、現場に戻り、
ぶっ壊れたチャリを押しながら帰宅しました。
体のあちこちが痛いけれど、歩けなくはないし、
再就職したばかりで休むわけにもいかず、次の日から出社しました。
事故直後に上司には電話入れてましたが、
それでも質問攻めで、そりゃあまあそうか。
お相手はすぐに警察呼んでくれましたし、平謝りでしたし、
任意保険にも加入しており、適切な対応をなさっていたし、
ケガもそこまでではないことから、恨みらしい恨みはありません。
また、示談交渉はまだ終わってませんが、
思った以上に軽傷で、賠償額は微々たるものっぽいです。
ただ、折角の休みに自転車買い換えたり、警察署行って供述しなきゃいけなくて、
こればかりは本当に最悪でした。
ぶっちゃけお金はどうでもいいんですけど、
(会社から貸与されていた社章が捻じ曲がったんで、それは弁償してもらわないと困るけど)、
余計な時間を使わされたのが辛い。
生きてて、後遺症も(この感じだとたぶん)なくて、そこはよかったんですけど、
時間を奪われるってのは極めてストレスなんですよね、私にとっては。
代えが利かないじゃないですか、時間って。
お金じゃ買えないものだし。
自身に過失があったなら諦めもつくんですけどね、なんだかね。
あとは、まあ嘘松じゃないよってことを示すため、少し画像を残しておきます。
自転車はハンドル曲がったり(左と右を見比べてください)、
後輪が変形して回らなくなったりしました(後輪タイヤが車体のフレームに当たって回りません)。
そしてこれは私の右足の踝の辺り。
※見た目いいものではないので一応グロ注意
(クリックで拡大します)
↓
事故直後は目立たなかったけれど、数日したらかなり痣っぽくなってました。
まだちょっと痛い。
他にも臀部とか、爪先とか左手とか太腿とか、まああちこち痛い。
けれど大分痛みは引いてきてます。
悪化しないことを祈ります。
ドライバーさんは、完全に私が見えていなかったらしくて、
カーブだからこそ減速してたものの、30km/hくらいはたぶん出してて、
結構エグい当たり方していたので、これが6,70才とかだったら、
後遺症残ったり、最悪死に至ってもおかしくないのでは……って感じでした。
ドラレコつけてなかったそうなので、証明できなくて歯痒いのですがね。
そんな当たりでもわりかしぴんぴんしてる私ってなんなんだろ。
生まれてこの方骨折したことも、入院したこともないんですよ。
偏頭痛はしょっちゅうですけども……。
まあそんなこんなで、事故ったにしては元気です。
「命あっての物種」という言葉をかみしめながら、
新しいお仕事を頑張っていきたいと思います。
最近読んだマンガではブルーピリオドが面白かったです。
そういった感想系の記事、一個くらいは連休中に書けたらいいな。
それではでは。
]]>『グッドモーニング・コール』 感想
少女マンガの話になったとき、人に薦められたため、
読んでみることにしました。
「読みます」と答えた手前、約束は守らないといけませんからね。
それで、読みました。
面白かったです。
面白かったんですけど、あまリ深くは刺さらないというか、
残るものが少なかったな、というのが正直なところでした。
私はマンガや小説が大好きで、
本当に大好きで、
これらの作品を鑑賞するときばかりは、
自分の気持ちに嘘をつけないというか、つきたくないんです。
何が言いたいのかと申し上げますと、
薦めてくれた人に迎合するようなことはしたくないし、できない、というお話です。
ただただ正直に、感じたことを述べ、綴りたいと思います。
まず、『グッドモーニング・コール』のあらすじを引用してみます。
両親の都合で、卒業までの半年間、マンションで一人暮らしをすることになった中三の菜緒。
ところが引っ越しの日に、何と別の男の子が同じ部屋に引っ越しをしてきたから大変!
しかも、彼は同じ中学の上原くん。結局同居するハメに!?
(『グッドモーニング・コール 1』集英社文庫 裏表紙より引用)
悪徳不動産会社に騙され、住もうとしていた物件が二重契約であったため、
やむにやまれず、ルームシェアをすることから、物語が始まります。
中学生同士でルームシェアするまでに至る過程が、
どうにも無理くりな感じが強くて、まず躓きました。
当時の不動産業界がどうかは知りませんけど、幾ら悪徳であっても、
保証人や契約者が親だか未成年後見人だか知りませんが、
中学生が住むことのリスクを恐れ、回避しようとしませんかね。
大家さんも大家さんで、家賃払ってくれるなら誰でもいいって頭大丈夫なのか?
契約は賃貸人(大家)と賃借人で交わすのであって、不動産会社は媒介でしかないんだぞ。
家賃の回収リスクもあるし、それ以外の厄介事も絶対ついて回るでしょ。
そもそも契約書はそれぞれあったわけで、おかしいとか思わなかったのか?
とか、ツッコミどころが多過ぎました……。
また、高校生ならまだ辛うじて許せなくもないんですけど、
中学生が年齢詐称してバイトしたり、
親に黙って異性と同居したりとか、流石にマズくない?
上原くんの兄である卓也氏は全然出てこないですし。
親代わりならもちっとしっかりして欲しい……。
言い出すとキリがないので、ここら辺までにしておきましょう。
では、キャラクターに触れつつ所感を。
主人公の菜緒。
明るくて天然で、感じのいい子。
それ以外、あまり言葉が浮かんでこない……。
主人公なのに。
ヒロインなのに。
流されてばかりだからか、個性らしい個性が見えてこない気がしました。
対して、上原くん。
ヒーローとはいえ、滅茶苦茶イケメンで秀才で、
バイトしてても成績は学年上位で。
……設定盛り過ぎでは。
「上原くんはみんなのものだから、抜け駆け厳禁」
みたいな協定がでてきて、
それに抵触した菜緒を締めにかかる同級生とか、
もうコッテコテの王道展開。
連載開始が1997年だから、当時は新鮮だったのでしょうか。
この感覚は『To Heart』をプレイしたときに似ていました。
(奇しくも、『To Heart』も1997年発売ですね)
その後に連なる作品に多く触れてしまったがために、
展開が読めてしまったり、月並みに感じてしまう現象。
(実際にそうなのか、正しいかを証明する術は持たないが、そういう感覚が常にある)
古典とでも評すべき存在で、
それらを下敷きにしているからこそ今があるんでしょうけれど、
古臭さは拭い去れない、みたいな。
ヒロインの友達である、紺野まりなの情報通設定とかも、
見たことあるーってなるし、
草薙ななこの二面性も、あるあるやんけってなりました。
ここら辺の導入部からして、
読み進めるのはちょっとキツイかもしれないと思っていたのですが、
お互い好き合った辺りからは、
想い合って、助け合ってという関係性が微笑ましく、
テンポよく読めたので、楽しめました。
ただ、どこかちぐはぐというか、肩透かしをくらうことも多かったですね。
菜緒のために、好きそうな映画のビデオを上原くんが借りてきてくれるんですが、
「(うれし――…)さっそく今晩見ようねっ」と菜緒が笑いかけたら、
「え おれは見ないよ ひとりで見て」
「!?」
(なんかちがう気がする……)
と思いながらも、一人で見るシーンがあります。
なんかちがう気がする、
じゃなくて、
絶対違うだろ、これ。
二人で楽しめる映画探せや……。
なんというか、上原くん、よくわかんないんですよね。
どこかずれてるというか。
バイトしまくりだし、そりゃあ菜緒も不安になるわってことが多くない?
イケメンなのかもしれないけど、
行動が恰好いいかというと、個人的には刺さらない……。
あと気になったのは取り敢えず2点。
ひとつは、デフォルメの濫用。
デフォルメされるキャラやシーンが多過ぎませんか。
デフォルメ自体を非難するつもりは一切ないんですよ、
私だってSDキャラとか、二頭身キャラとかだって好きですし。
デフォルメによって生まれる、「コミカル感」には概ね好意的です。
しかしながら、この作品は多過ぎる。
ここまで多用しちゃうと、かえって見づらいですし、
あまりに現実離れ感が強くなってしまい、
感情が追いつかなくなってしまう。
作画コストを抑えるために意図的にやってるのかな、とか、
邪推してしまうくらいの頻度です。
これはちょっと合わなかったですね。
で、もうひとつは、ショッピングするシーンが多過ぎる!
何枚服買えば気が済むんだよお前ら!
現実の女の子って、
あんなにしょっちゅうしょっちゅう服を買うのかい?
バイトしてもしても足りなくない、あれ?
てか、どんだけ買い物のシーン挟むの?
上原くんもバイトバイトバイトで、全然一緒に出かけないしさ。
だからこその同居なのかもしれないけども。
とまあ、なんか引っかかっちゃうところが多いマンガでしたね。
まりなとみっちゃんの恋愛なんかも、
もっと描写できたんじゃないかと思いますし。
不満ばかり論う(あげつらう)のもどうかと思うので、
よかったところも挙げてみます。
ちょこちょこ女性陣の髪型が変わるの、かわいくていいですね。
女性漫画家の方は自然にヘアアレンジを取り入れていること多いですよね。
『恋愛ラボ』のリコみたいなの。
画像だとこんな感じ。
はい、かわいい。
エピソードとしては、
あべっちこと阿部 順と、大石つかさの微笑ましいやりとり、
あのシーンはよかったですね。
本筋より読み応えがあった気がします。
お嬢様中学校の美少女相手に告白されたあべっちが、
連日デートしまくりで、騙されているんじゃないかと周囲が怪しむ中、
実は既に海外に行くことが決まっていたため、
心残りがないよう告白したのだと後から明かされる。
それ故、あべっちは有限の時間を最後まで大事にしていたのだと、読者は知る。
これまたどっかで見たことある話のような気がしないでもないのですが、
あべっちの、普段はおちゃらけていても、
芯の部分はまっすぐで、気持ちのいいキャラクターぶりが、
上手く表現されていたと思いますし、
作中では珍しく純粋に可愛らしい大石つかさの存在もよかったです。
その後も大石つかさちゃんはちょいちょい話題になるとはいえ、
きちんとした出番はこれっきりだったため、勿体ないとさえ思えました。
あとは、あべっちをどのような過程で知って、
どうして惹かれて、告白するに至ったのか。
そもそもどうやってバレンタインにチョコを渡したのか、
そういった一切合切が省略されていていたのも勿体ない。
こういう細部への気配りが、物語に深みを与えうると思うんですがね……。
例えば終盤の↓のようなモノローグ。
菜緒にしては珍しくシリアスちっくになっていて、
少女マンガしてるじゃんと思いきや、
さして尾を引くこともなく、上原くんとの軽いやりとりですぐ解決してしまう。
少年マンガが壮大なストーリーやアクションで魅せるものだとするならば、
少女マンガは感情の機微や心情の揺れ幅に価値があるのだと思いませんか。
そこにいくと、『グッドモーニング・コール』は、
あっさりテイストというか、深入りしないんですよね。
ゆりりんの旦那が不倫していると感じ、
当てつけに自分も浮気してやる!
どブチ切れてるときですら、これ(↓)ですもん。
(ちなみに、この3Pは省略しておらず、連続しています)
シリアスが長続きしねぇ……。
先に挙げたデフォルメの多用も、
「あっさり」という印象を強めているのだと思います。
全体的に悪くはないだけに、惜しいんですよね。
もう少し捻れば、もっとよくなるのにって感じます。
ただ、滅茶苦茶売れた作品らしいですし、
『グッドモーニング・キス』という続編が現在も連載されているので、
既に十分に成功された作品であり、私の指摘は的外れなのかもしれません。
しかしながら、決して無責任なつもりも、
揚げ足取りのつもりもなく、そう感じたから、そのように書いています。
100点満点で採点したら、70〜75点くらいでしょうか。
合う人が読めば、高得点なのでしょうが、
私にはそこそこってところでした。
つまらなくはない、面白い、面白いけど、ちょっと。
そんな感じでした。
そもそも対象年齢、対象世代が低めに設定されているのでしょうしね。
三十路のおっさんなんてお呼びじゃないんですよね。
これを真っ先に言っちゃうと全てが無に帰してしまうので、
ここまで踏ん張りました。頑張りました。
久し振りに少女マンガをがーっと一気読みして、
自身の少女マンガ遍歴を思い返したりしたので、
そういった話も気が向いたらしてみようかなと思います。
それでは、また。
]]>
再就職しました。
無職期間は11日でした。
3月下旬から働く予定だったのですが、
あれやこれやがあって、2週間前倒しでの採用となりました。
中途採用のくせに、わからないことだらけなので、
とにかく頭を低くして、真面目に働いて、
早く仕事を覚えたいなと思いました。
月並みな言葉しか浮かんでこない……。
詳細に書けるほどのことをまだ何もしてないのでね。
まだ2日しか働いてないですし。
そんなこんなで近況報告でした。
それでは、また。
]]>約8年間勤めた会社を今月いっぱいで退職しました。
どうも、無職です。
わざわざ退職するのであって、
理由はネガティブ寄りなので、詳らかにはできませんが、
とりあえず、心機一転がんばります。
3月中に転職先で働くことが決まっているので、
それまでは資格のお勉強をしながら、
入社日まで備えようかな、という次第です。
暇だし、どっか旅行でも行こうかななんて思ってたらこれですよ。
コロナですよ。
転職先は未経験の業界で、職種で、
本当に大丈夫かな、なんて思ったりもしましたが、
決めたことでくよくよしても仕方ないし、
腹を据えて、腹を括って、臨みたいと思います。
過疎化に歯止めがかからない当ブログも、
新しいお仕事のことを備忘録的に更新してもいいかなと思いつつ、
そんな余裕があるのかは謎なんですよね。
出たところ勝負、がんばります。
全く関係ないですが、最近は原田マハさんの本をよく読みます。
知人が好きな作家に挙げていて、試しに読んでみるかーと、
書店で予備知識なくテキトーに『キネマの神様』という本を手に取ったら、
これが大当たり。
売れる人は売れるだけのものを書いていらっしゃるのだなと感じ入りました。
他にも読んでみて今のところ面白かったのは、下記のとおり。
『本日は、お日柄もよく』
『楽園のカンヴァス』
『旅屋おかえり』
『さいはての彼女』
読んでみると大体ちゃんと面白いので、
こいつは人に勧めやすいなぁって思いました。
読んでいると映画を観たくなったり、
絵画を鑑賞したくなったり、
旅をしたくなったり、
登場人物と同じものを見たい、感じたい、
同じ世界にいたいって気持ちになるんです、自然と。
それってすごいことだし、
素敵なことだなって思うんですよね。
かなり多作の方のようで、全然追いつかないのですが、
読みたい本があるって、いいよね。
本が読みたいのに、読みたい本が定まらないときって、
本当にもどかしくってたまらないから。
最後に、『本日は、お日柄もよく』より、
とある一節を引用して締め括らせていただきます。
『困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。
二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している』
いい文章ですよね。
これがまたいい場面で、響くんだ。
そんな感じで、私は私なりに生きてるので、
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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引っ越します!
ブログがじゃなくて、リアル引っ越しです。
ようやく仙台勤務からお役御免となりました。
ついたー! http://t.co/V9HcEj1L
— 仲江市松 (@soemon) 2012年5月1日
このツイートしたときが今の住居に初めて来たときだったと思います。
7年ですよ7年。
今や令和ですよ、令和。
20代の半分以上を仙台で費やしてしまった。
ついてないな。
新幹線ですぐじゃん、とか。
暮らしやすいじゃん、とか。
住めば都でしょ、とか。
周りから色々言われますけれど、やはり東京に慣れてるとつらいつらい。
何か催しがあると大抵東京で、わざわざ遠征って感じになりますし。
嫌気が差して転職活動しようにも動きづらいですし。
……なんて、こんな感じで文句は幾らでも並べられそうなんですが、
不幸自慢したところで誰も幸せにはなれませんので、よかったことを書きます。
慣れない土地で初めての独り暮らしをしながら、
新入社員として遮二無二働いたこと。
これはかなり大変ではございましたが、その分、得るものも大きかったように思います。
お客様の多くは東京にいらっしゃるので、基本的に顔がわからないのに、
頻繁に電話やメールをするっていう間柄です。
そんな中で、どうやって信用を築き、信頼されるか。
仕事振りで応えるとはどういうことなのか。
「明確な答えを得た」などと大それたことは申し上げませんが、
ある程度、いい感触を得ることはできたのではないかと思います。
あとはねーそうねーとか考えて、全然ないことに気付きました。
こっちに来てから、殆ど仕事しかしてないんですよ、本当に。
仕事が好きなわけではないけれど、
お賃金もらっている以上、ちゃんとやりますし、
むしろ給料以上に働いてるって誰にでも堂々と言えるくらいには働いていました。
ただ、新しい職場は、仙台よりだいぶ緩いらしく、
上司には朱に交わって赤くなるなよ的なことを言われました。
実際どうなのかはこの目で見届け、判断し、
私なりにやれることをやっていこうって思ってはいるのですが、
さてはて、どうなることやら。
ちなみに引っ越し先は千葉県です。
土地勘ゼロです。
我ながら大丈夫なのかなと心配になりますし、
気付けばあと数日で三十路です。
思考回路がショート寸前で泣きたくなるくらい多くのことがあって、
だからこそ、ああ、今、生きてるんだなって実感が強くあります。
明日は引っ越し当日。
仙台で積み込みをし、その日のうちに千葉県で荷受けします。
……正気か?
会社指示なのだからしょうがないとはいえ、
今から不安で不安で仕方ありません。
そんなこんなで四半期振りくらいの更新でした。
引っ越し先のネット開通が一カ月近く先になってしまって、
原始人みたいな生活になりそうなこともあって、
短いながらも今のうちに何か残しておきたいな、なんて思いまして。
久し振りに日記っぽいブログを書いたような気がしますね。
こんなの読んでくれる人がはたしていらっしゃるんでしょうか。
ともあれ、引っ越し先に馴染んで落ち着いてきたら、
また顔を出しますので、気が向いたら覗いてやってください。
それでは、また。
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始まりの魔法使い 1 〜 5 感想
まず、端的に言って、この作品はとても面白いと思いますので、
あらすじを読んでみたりして、
興味深いと思えたなら、読んでみましょう。
カクヨムで無料で読めちゃうらしいです。
始まりの魔法使い - カクヨム https://t.co/tqcQ9NzI0Q
— 仲江市松 (@soemon) 2019年1月19日
前置き。
何から何を、どう語ろうかすごく悩むのですが、
まずは読み始めた経緯から始めつつ、
本旨である作品の感想を思いついたまま書いていこうと考えております。
なので、ネタバレが嫌な人はご遠慮ください。
ちなみに私は、残念ながら浅学菲才の身の上で、決して聡い人間ではないので、
解釈を履き違え誤読していたり、誤読ではなくても、
与えられていたヒントや伏線を見落としまくっているかもしれません。
(特に本作における魔法や魔術の理論については大雑把にしか理解できていない気がします)
それでも、ただただ思いつくまま、読んだ感想をはき出していきます。
その上でご指摘事項がありましたらご教示願えたらと存じます。
必要に応じて訂正等致します。
ただ、微に入り細を穿つかごとく重箱の隅をつつかれるとつらいので、
はじまほ警察の方々にはお目こぼし願えたらと思います。
本作を読むに至った経緯
少し古い話になりますが、不景気の中、私がなんとか就活を終え、
ギリギリ学生を名乗れていた頃、
某小説投稿サイトで、「魔王の始め方」という作品が投稿されました。
当時の私はランキング上位に挙がってくる作品は大抵目を通していて、
この作品も上位にあがってきたからこそ知ることができたのだと思います。
毎日決まった時間に更新されることもさておきながら、
文章の読みやすさ、ストーリーの緩急、プロットの完成度、
どこをとっても、それはもうよくできていて、
同時期に読んでいた人気作らとは一線を画す、
安定感のようなものを勝手に見出していました。
特にそれを強く感じられたときの私の感想は↓がわかりやすいように思えます。
ラズの記憶を思い出したリルがそれを明かして、オウルをからかうシーンがいいなぁってずっと思っていて、上手く言えないんですけど、あそこにはただ伏線が回収されただけではない、優しくあたたかなものが揺蕩う感じがして、好きですね。
— 仲江市松 (@soemon) 2018年7月23日
これは野生のプロの犯行では……?
みたいな思いを抱きつつ、
気付けば更新を日々待ち望むようになりました。
この作品の第一期、ひとつの節目を終えたとき、
読んでてよかったと、快い読後感に包まれていました。
回想終わり。
そんな作者がイチオシされている石之宮カントさんの「始まりの魔法使い」。
読んだら絶対面白いんだろうなぁと思って、
ファンタジア文庫から刊行される度に買っていました。
でも、買うだけ買って、全然読んでいませんでした……。
これに関しては、深い理由はありません。
仕事が忙しいからとか、なんか気が進まないからとか、
そんな気持ちの延長線上というか、
それを拗らせて疎遠スパイラルに陥ったというか、そんな感じです。
素晴らしき日々とか未プレイのランスシリーズとか、
きちっと買い揃えていて、やったら絶対面白いのがわかっているのに、
未だに積んだままなのと同じです。
いつからこうなっちゃったんだろう。
昔は、その手のコンテンツにとにかく飢えていて、貪欲で。
かじりつくように、貪っていたはずなのにね。
それでも、そんな中でも、
わけもなく機運が高まるときがあります。
その閃きに逆らうことなく身を委ね、名古屋出張の新幹線のお供にしようと、
ビジネスバッグに「始まりの魔法使い 1(初版)」を忍ばせました。
仙台から東京、東京から名古屋と、新幹線を乗り継いで向かう以上、
1冊は読み終えるだろうという算段でした。
案の定、ちゃんと読み終わりました。
ボロ泣きしながら。
今まで読んでこなかったことを後悔し、恥じ入るばかりで、
名古屋駅前のどっかの百貨店に入っている三省堂で2巻と3巻を慌てて買い、
帰りの電車で続きを読もうとしたくらいです。
……読もうとしたんですけれど、
出張先での仕事がまあハードで、帰りの新幹線では頭痛に苛まれ、
買っておいた駅弁すら喉を通らない始末だったので本を読むどころではなく、
お流れ、持ち越しとなりました。
そこから折を見てはちょくちょく読み進め、
4巻が読み終わったのがちょうど新年明けたくらいでした。
年始の休み使って今まさに書いてるような感想をあげるか!と息巻いていたところ、
1月中に5巻が出ると知り、
「じゃあそこまで読んで感想書いた方がよくない?」
と思い直し、どうせ書くならとことんやりたいなと思って、
「1巻から4巻まで改めて読み直し、そのまま5巻に入って感想を書く」
という方向にシフトし、無事読み終えましたので、
そろそろ感想を書きます。
順当に、巻数毎に、まずは思ったことを並べてみますかね。
1 名前の時代
ここから一巻のキャラデザです。 pic.twitter.com/irqbQ5whhK
— 石之宮カント@はじまほ5巻1/19発売 (@Ishinomiyakanto) 2018年2月19日
主人公が転生し、竜に生まれたこと。
しかも原始時代のような文明のない世界であったこと。
エルフの少女に出会い、魔法の学校を建てること。
そういったことが語られ、物語は動き始めます。
そもそも「魔法」とはなんなのかを、
主人公たちは一生懸命解明しようとし、
そして知り得た知識を、生活に還元していきます。
主人公は日本人として生きた一生分の知識があるとはいえ、
この世界の魔法に関してはゼロの状態から、手探りで突き詰めていきます。
この過程が、まず単純に面白くて、上手いなと思いました。
それは、読んでいる読者も一緒になって考えていくことができるからです。
「魔法ってなんだろう」「何が正解なんだろう」って。
既にある知識(専門用語)をただ並べられ、提示されているのではなく、
彼らに寄り添って、肩を並べて学ぶことができるというのは、
この作品世界への没入を、無理なく促すことに成功しているのではないでしょうか。
魅力的なキャラクターの存在も大きく、
コミカルなシーンはちゃんとくすりと笑えるし、
見せ場が各々にきちんと用意されており、いい配分だと感じられました。
そこに立ちはだかる、種族差、寿命の壁。
人としての寿命と竜の寿命には大きな隔たりがありました。
初めての生徒であるアイとの今生の別れに、涙しました。
オチとなる「きっとまたあいにいきます」は、
素晴らしい落としどころだと思いました。
2 言葉の時代
ここから二巻のキャラデザです。 pic.twitter.com/Ky0XpccJhp
— 石之宮カント@はじまほ5巻1/19発売 (@Ishinomiyakanto) 2018年2月19日
いきなり竜歴509年から始まり、度肝を抜かれます。
他種族の留学生を募り、魔法の研究を推し進めながら、
度量衡や時間の単位、西暦にも似た竜歴等を定めていきます。
相変わらず、キャラクターが活き活きしてて、いいですね。
エルフにリザードマンに人魚に、ケンタウロス。
これぞファンタジー世界って感じで。
また、着実に魔法や学校や町が発展していくさまと、
より浮き彫りになる種族間の寿命差・世代交代は、
胸にきしきしとした痛みを継続的に与えてきます。
あとは、この時代の悪役となる白鼠の存在。
アルジャーノンと先生は名づけるわけですが、
当然これは「アルジャーノンに花束」をが下敷きになっているのでしょう。
話し方の不気味さ、合理性を重んじる思考、
可愛さの欠片もない鼠が怖くてすわ恐ろしくて、
いいテキストだったなと思いましたし、
解決手法も納得のいくものでよかったです。
アイとはまた違った、
時を超越するために選択した剣部有記の手段も心に響きました。
3 文字の時代
ここから三巻のキャラデザです。 pic.twitter.com/ZRygib0lgU
— 石之宮カント@はじまほ5巻1/19発売 (@Ishinomiyakanto) 2018年2月19日
今回のヒロインはリンでした。
2巻でユウキが投げたブーケをリンがキャッチし、
「次は、リンの番だね」なんて会話をしてましたけれど、
これ、生きてたんですね、後から思い返して気付きました……。
3巻では大学の設立と、紙の発明。
ハーフエルフの誕生と、水色の死。
リンの若返りと、記憶の喪失。
壁画による輪廻転生の裏付け。
ここらが主だったトピックスだと思われました。
日記が出てきたときは、ああこれ、
間違いなくあとで絶対出てくるやつぅーって思って読んでました。
自動殺人はアリバイを否定できるんだ。
死という強固なアリバイだって同じに。
なんて言葉がとある推理小説にはございますが、手紙や日記も同じで、
装置として完成していれば、その場にいなくたって、
仮に死んでいたとしても、記憶がなくても、
ここぞというときに持ってこれるわけで。
わかって身構えてはいたんですけど、
文章が練られていたので、ちゃんと浸ることができました。
デコつよい。
笑いました。
あんな"優しい年上のお姉さん"っぽいことやってたのに、
そんなこと思ってたのかよ!
と、つっこまざるをえないのはよかったですね。
リンらしさが5文字で表現されている。
ただ、リンが記憶を失っていく過程は、読んでて本当に苦痛でした。
それだけリアリティーのある文章が書けているという証左なのでしょうが、
まあ、つらたんです。
親戚が亡くなったときのことを思い出しました。
最期のほうは、殆ど何も覚えていなかったから。
忘れたくないことさえ忘れてしまうというのは、残酷ですね。
4 魔術の時代
ここから4巻のキャラデザです pic.twitter.com/Ct0p6sZ4uV
— 石之宮カント@はじまほ5巻1/19発売 (@Ishinomiyakanto) 2018年9月21日
精霊の免許制度導入。
魔術の大きな発展。大学勢の成長。
そんなことより何より、
子育てでしょう。
笑うヤカンさんも石之宮カントさんも、
愛妻家であり、子煩悩でいらっしゃることは、
普段のツイッターやあとがきから露骨に伝わってくるというか、
むしろ隠す気なんてさらさらなくて、明け透けで、
素敵だなって思うのと同時に羨ましくあったりして。
そんなこんなの経験が多少は文章に反映されているのではないかと思うのですが、
ニーナの親馬鹿具合がたまらなく魅力的でした。
だからこそ、終盤の、
「この子の母親は、私だけだったのに!」
という台詞が深く胸を打つ。
死んだと思いましたクリュセは。
死んだんですけど、クリュセは。
そして忘れた頃にやってくるアルジャーノン。
匂わせていたとはいえ、まさかこんなところで拾ってくるとは。
蚊帳の外だと思い込んでいたからこそ、結構な絶望感があり、楽しめました。
また、地球は宙の彼方に存在するらしいことが判明しました。
同じ時代なんでしょうか。
何光年離れているのでしょうか。
今後に期待したいと思います。
5 始まりの時代
始まりの魔法使い五巻、明日発売です。よろしくお願いします!https://t.co/rDodxdEnIj
— 石之宮カント@はじまほ5巻1/19発売 (@Ishinomiyakanto) 2019年1月18日
他の竜の存在が今まで以上にフューチャーされていたように感じました。
最初のほうに出てきた雷竜のギルタから、
なんとなくどこぞのレッサーデーモンを彷彿とさせる気さえしました。
竜殺しの英雄アイシャというミスリード、
普通に引っかかりました。
この人なの、かなぁ……? くらいには。
でもまさかアイが白竜になっていたとは。
赤竜を愛した彼女であったなら、
先生が人間から竜になったと知っていたのだから、
何度目かの人生の果てに竜となって生を受けたことは、
ある意味必然だったのかもしれませんね。
その強固な「縁」を前に、
ニーナは今まで堰き止めていた想いを吐露する。
千年以上も寄り添ってこれたこと、
そこに生半な気持ちなんてあるはずがなかった。
それを読者は皆知っていた。
知っていたから、もどかしくてしんどくて仕方なかったのだけれど、
ようやく、告白してみせた。
かなりシリアスな場面ではあるものの、
心の中でスタンディングオベーションで拍手している私がいました。
先生とニーナの関係が深まったことから、
ユウカはユウキにの記憶を引き継がせなかった。
結果、ユウキの想いは途絶えてしまったと思い込んでいたわけですが、
石剣に宿った魔力を元に、記憶と経験を取り戻すという展開は胸熱でした。
リンが全ての記憶を取り戻し、
寿命も持ち直してるっぽいのは、すみません、あまり理解しきれていません。
今までの誓約が丸ごと魔法の代償(対価)となったことで、
これまで以上に魔力が増大し、
それを以って寿命に還元できるようになった的な解釈でいいのでしょうか。
力さえあれば、イニスのように力ずくで寿命は延ばせるっぽいので。
そんでまた最後の最後に出てきました、アルジャーノン。
アルジャーノンに花を持たせすぎではありませんか。
しかも尋常じゃなく強くなってるし。
それをアイが一発で仕留めてしまうのもなかなかに無茶苦茶に思えつつ、
スカっとはしましたね。
白竜(氷竜)としての力と、元々の適正と、
文字どおり愛の力に依るものだとすれば、一先ずは納得できますし。
最後に、アイ。
「せんせいを――」
「おねがいしますね、ニナさん」
ニーナさんではなく、二ナさんと呼んだことから、記憶の残滓のようなものはあったのでしょう。
先生にアイと呼ばれることを好意的に受け止めていることからも、
何かを待ち続けているといった台詞からも、それは窺い知ることができます。
何度も読み返してみましたが、記憶を既にほぼ取り戻していて、
それでもニーナに認められるまで黙っていた、というわけではない感じがしますね。
ここら辺は、本当になんとなくなんですけど。
約束の地、帰るべき場所、先生の家を覚えていて、
壁画を残した過去もあることからすると、
転生を繰り返す度、記憶は段々と摩耗していったと考えられ、
この場合の、アイの真名を知り、記憶を託されたニーナの役割は、
セーブポイントみたいなものだったのかなぁと。
だとするならば、ニーナが叫んだ「ヒイロ!」というアイの真名は、
「ふっかつのじゅもん」みたいなものだったのではないでしょうか。
ここまで部分部分を見て、脈略なく言葉を並べてみましたが、
ここから先は、全体を通しての感想に移りたいと思います。
結論、
全然ライトノベルじゃない。
軽くないんですよ、この作品。
重厚というか、へびぃなんですね、全体的に。
ライトノベルなんていう曖昧な括りで比べるのもどうかとは思いますが、
例えば、出会ってひと突きで絶頂除霊!を読んでるときとは感触がまるで違うわけですよ。
冗談はさておき、1巻を読み終えた後、
滅茶苦茶面白いやんけ!と思ったのと同時に、
某18禁小説投稿サイトに載っている「亜種王」という作品を想起しました。
あちらはエロをメインとした洗脳系の作品ですので、
全然違うと言われればそれまでなのかもしれませんが、
種族間の寿命さに絶望して、それを解決する手段を模索して、
それでも叶わずに終わるというストーリーに、若干近しいものを感じました。
そんなことを思って久し振りにアクセスしてみたら、
メインエルフキャラの一人がニーナで、こんな偶然もあるんだなと思ってみたり。
話を戻します。
何を隠そう、この作品を読み終えて真っ先に思い浮かんだ言葉があります。
それは、「ずるい」です。
この作品世界において、長寿種の存在が圧倒的過ぎるというものがあります。
人に比べたら、竜もエルフも永遠にも等しい時間を生きていくことができるのです。
現状、その点についてあまり明確な解説は示されていてないように感じます。
そういう種族なのだから、そうだとしか言えない、みたいな。
ゾウガメが100年以上生きるように、500年以上生きる貝が存在するように。
その寿命の差から生じる出会いと別れのドラマ。
これは間違いない、ですよね。
「ずるい」ですよね。
竜歴0年から連れ立った読者を、何年も先の未来へ引きずり込んで、
哀しみの感情を共有させるなんて。
それも一回ぽっきりじゃない、
何度も、必然的に。
そういった世界を完全に構築してしまっている。
ときにはあるんですよ。
ここぞというときに、
メインキャラクターが交通事故に遭って死亡しましたとか、
そこまではいかずとも大怪我を負って、今までのように体を動かせないといった展開。
現実的に、ないとは言えないじゃないですか。
誰にだって不平等に、不幸が降りそそぐことはありうる。
運悪く通り魔に殺されてしまうかもしれない、不注意で人を轢いてしまうかもしれない。
世界のどこかでそういった事件は毎日のように起きていて、
それが物語の人物に起きたってなんら不思議はない。
なんら不思議はないのだけれど、
そこからは作者の都合が、物語の要請が、透けて見えてしまう。
ぶっちゃけ、
すごく萎えるんですよ。
でも、この作品は、そうじゃない。
寿命差からくる別れを納得させるだけの世界を作り上げているし、
それだけではなく、ダルガやアルジャーノンが襲ってくるときも、
筋道がしっかりしていて、納得のできる論理が組まれ、
折り目正しい落差でもって、物語が紡がれている。
魔王の始め方からも感じていた、緩急の巧みさ、プロットの構成力が、
この作品でも遺憾なく発揮なされていると、感じられました。
それら全部をひっくるめて「ずるい」って思っちゃう。
「するい」くらい、よくできている。
つまり、すごく面白いんですよ、この小説は!
といった感じでまとめっぽく仕上げてしまいましたが、
まだ書き足りないので、何事もなかったかのように続けます。
一番気になるのは結局、
この世界の「魔法」ってなんだろうってことなんですよね。
この世界の魔法は、名前でできていた。
から始まり、次に、「意味」と「意志」と「意図」に必要性が説かれます。
ただ、詠唱を破棄しても魔法は使えるので、
「意味」と「意志」だけでも使えるといった説明があります。
しかし、当初、息をするだけで火を吹いてしまうように、
あるいはルフルの無意識に発揮されていた「巨人の力」のように、
または、ものを食べ、呼吸をし、生きていくことさえ、
この世界そのものが魔法である、といった考えすら提示されます。
全てが魔法に通ずるのであれば、
竜やエルフの寿命も、魔法が関わっていそうです。
高い知能も、博覧強記と称して差し支えない記憶力も、
言うなれば高い魔法力で、無意識的に補っているのではないか、
というふうに考えても、そんなにおかしくはないのかな、なんて思います。
何千年も生きていたら、いくら竜やエルフで人間とは別物なんだとしても、
脳のキャパシティ超えそうじゃないですか。
そうなっていないんだとしたら、そこには理屈があって欲しいところ。
無意識的にクラウドストレージみたいなものを魔法で作ってて、
そこに考えた瞬間アクセスしてるとか。
戯言ですけれど。
対して人間は、進化の過程で、寿命よりも学習力の高さに重きをおき、
いずれ竜にも届きうる牙を磨く道を選んだ、とか。
妄想ですけども。
イニスの不老の術の話とかも気になりますね。
イニスは意図的に成長を止めることで延命しているようですが、
それでも記憶や知識に障害はなく、新たな発見や学びを得ることができている様子。
その点は何らかの手段を講じていると考えたほうが自然のように思えます。
話が逸れますが、このときにイニスが説いた可塑性の話が、
どこにどう行きつくのかは全く思い至らず、悶々としてしまいます。
ともあれ、魔法で寿命を補っている、もしくは補うことが可能であるとするならば、
記憶や知識を力に変え、強者となったユウキやリンが、
寿命の先延ばしに成功しても、違和感はないのかもしれません。
そんなこんなの、万能めいた魔法ではありますが、
5巻終盤で魔法の力が極端に弱まり、
この先は、より悪化、深刻化するらしいとも示されており、
ますます目が離せないと言いますか、続きが楽しみでなりません。
話をぶった切って、
ここで、気になったことを少しだけ並べます。
■転生した人(?)は他にもいるのか。
主人公だけが必ずしも特別だったり、チートだったりしないって話は、
わりかし見かけるパターンです。
似た境遇の存在が敵になることもあれば、味方になることもあるでしょうし、
実はもう既に会っているのかもしれません。
ただ、この世界における真名はかなり力を有しているようで、
先生の母親である赤竜は、生まれたばかりの我が子に名前をつけてしまったら、
きっと、あなたの元々の名前は押しつぶされてしまう、といったことを仰いました。
これが真だとすると、仮に同じように転生した人物がいたとしても、
新たな名前を授かることで、塗りつぶされてしまい、
前世の記憶を引き継ぐことはできなかった、と考えられます。
アイやユウキの場合は、転生や記憶の継承を自ら望んでいたことから、
魔法により魂が保護され、上書きされることはなく、
そのままの魂であったり、本来の魂と共存できていたとすれば、
矛盾はしないように思われます。
■先生の転生は偶然なのか
アイの転生を可能にしたのは、
彼女の強い意志に基づく魔法の力だと思われますが、
人であったときの先生は魔法を使えず、また、
正直言って、死後の世界や転生などというものは殆ど信じていなかった。
と述懐していることからも、意志らしい意志はなかったと推定されます。
本人の力でないとしたら、偶然の産物なのでしょうか。
あるいは、他者の手によるものなのでしょうか。
世界の造物主だとか、神などと呼ばれるべき存在が、
何かしらの意図をもって、仕組んだのでしょうか。
疑問は尽きません。
■巻末のエピソードは先生じゃなくなる
先生の一人称で基本的に話が進んでいきますが、
巻末の最後のエピソードは、
毎回ヒロインの一人称となり、視点が変わります。
個人的には視点が変わって、
見え方が変わる話は好きなので、いいよねって話です。
それだけです。
■ニーナは心が読めるの?
先生の考えが手に取るように、
まるで魔法のように"わかってる"描写が多いです。
以心伝心と言えばそれまでなのかもしれませんが、
最早超能力レベルで、ミリ単位で正確に把握してるっぽい。
先生の心限定で見抜く魔法編み出してても
不思議じゃなさそう。
■紫さん……。
思わせぶりな紫さん。
あっしの掴んだニュアンスですと、
全部ガチっぽいという判定が下されております。
先生のことをかなり恋慕していたのではないか、感。
どっちにもとれるように書いといて曖昧に終わらせる系、
昔から苦手なんですよね。
……それ、本読むのに向いてなくない?
最後に。
改めて、作者はファンタジー作品が好きなんだろうなって思いました。
多くの作品にふれ、吸収して、
自分なりのファンタジー世界を丁寧に構築していいるのだろうと、
広範な知識や、設定の作り込み等、端々から感じられるから。
文章自体は飾りつけるふうではなく、無駄のない印象。
淡々と紡いでいく。
どこかハードボイルドな感じすら受けます。
それなのに、感情の機微なんかはきっちり描いてくるんですよね。
本当に無駄がないというか、隙がないというか。
まあ、巧い。
強いて不満を挙げるなら、その無駄のなさ具合でしょうかね。
必要な要素を必要な分だけ書くといった、理詰め感がないこともない。
メタ的ですけど。
一気に竜歴とばしちゃうところとか。
もっと合間にあれこれあってもいいんじゃないかなって思わなくはないんですけど、
後でスピンオフだとか番外編で挿入しようと思えばいくらでもできちゃう辺り、
そこも計算めいてて、なんか手のひらの上にいる孫悟空気分。
竜歴6050年が明示されている以上、まだ続くと思われますので、
当面はまだこの世界に浸っていられそうで嬉しい限り。
続きを楽しみにさせていただきたい旨を残しつつ、
一先ずはここらで一旦筆をおきたいと思います。
それでは。
※書こうと思ってて忘れたことがそれなりにありそうなので、
そのうち加筆やら修正やらする可能性があります。
評価:
宅建ダイナマイト合格スクール 大澤 茂雄 インプレス ¥ 3,024 (2018-11-16) コメント:2018年度版で無事合格できました。無料の音声講義の質が高く、素晴らしいし、面白いし、文句なしにオススメできます。 |
平成30年度宅地建物取引士試験に合格しました。
久し振りにちょこっと記事を書けそうな気がしたので出てきました。
今流行のnote辺りに書いたほうが見てくれる人もいらっしゃるかなと思ったのですが、
わざわざブログページを設けているのだから、ここを更新しないのもなーと思い直し、
こちらで書くこととします。
私自身の話は後からつらつら書き連ねますので、
手っ取り早く、どうして合格できたのかを書いてしまいましょう。
『合格しようぜ!宅建士 基本テキスト』をやったからです!
これです、これに尽きます!
宅建ダイナマイト合格スクールというふざけたネーミングのスクール代表、
講師大澤先生の無料音声講座が30時間以上付いてくる(ダウンロードできる)。
↑大体こんな感じ。関連動画も見てみてください。
コスパがいい(テキスト料 約3,000円)、だけではなく、
単純に講義が滅茶苦茶面白いんです。
テキストをただ読み上げるだけの講義とは訳が違う。
補足説明も面白いし、横道逸れた小噺も面白い。
勉強が苦じゃなくなるというか、
そもそも勉強しているという意識すらなく、
単に面白いラジオを聴いているような、そんな感覚で楽しめてしまいます。
そして自然と知識がすんなり入ってくる。
それがまた楽しくて、最後まで無理なくやり切ることができるのです。
オススメです。
来年度版も無事刊行されたようですので、
興味の持っていただけた方はお手に取ってみてください。
ってな感じです。
何故ブログを更新しようかと思ったのかといえば、
大澤先生の無料講義がかなり埋もれているように思えたので、
このブログをキッカケとして一人でも知ってくれたらいいなぁと思ったからなのでした。
私自身は東北の営業所に勤務している都合上、
大澤先生が講師を務める講座には一度も参加したことはありません。
音声講座でファンになった身としては、一度くらい参加してみたかったのですが、
なかなか都合が合わず、残念無念。
来年以降、既に受かってしまったとはいえ、
参加できる機会があったら潜り込みたいなとさえ思っています。
ここまでで書いておきたいことは書いてしまったので、
ここから先は、宅建士を受けようとした理由と、
合格するまでの体験記を残しておこうかと思います。
宅建士の試験を受けようとした理由は主に3つ。
1.弊社が宅地建物取引業の免許を取得しており、幹部社員の薦めがあったから。
2.後輩が音声講座で勉強して合格したと聴いたから。
3.大澤先生の講義が想像以上に面白かったから。
まず、1の項目について。
宅地建物取引業の免許を法人が取得している場合、
本店(本社)は5人に1人以上、専任の宅建士がいなければなりません。
私は地方の営業所勤務で、
別段不動産を扱うセクションでもないので取る必然性はありません。
ただ、出張でこちらに来ていた、
本社幹部の不動産関係の仕事をしてる方に、
「宅建士の資格は取っておいた方がいいよ」と薦められました。
知識は無駄にならないし、いざってときに使えるかもしれないし。
そんなことを仰られていたかと思います。確か5月くらいに。
そこで「わかりました。検討してみます」みたいなことを言ってしまって。
酒の席だし、本気にする必要はどこにもないのでしょうけれど、
そう返してしまった手前、考えないわけにはいきませんでした。
2つ目。
弊社の後輩くんが、いつだか宅建士の試験に受かったときに、
音声講義の付いたテキストで勉強したみたいなことを言ってて、
ただただ独学ってのもしんどそうだけれど、
そういうのがあるなら探してみてやってみようかなって気持ちが傾きました。
3つ目。
後輩くんにその話を振って(宅建の勉強を始めたことを知られて)、
落ちたらめっさ恥ずかしい気がしたので、
取り敢えずネットで見当をつけることにしました。
そんで引っかかったのが、『合格しようぜ!宅建士 基本テキスト』でした。
(後輩くんが使ったのがこれだったのか、そうじゃないのかはわかりません)
当てにならないとされるAmazonのレビューだとまあまあ上々っぽい。
もうこれでいいやとポチりました。
そして2ヵ月くらい寝かせました。
やる気がなくて……。
いいかげんちっとはやったるかと7月くらいに音声講義をダウンロードしました。
かなりファイルが分割されているので(↓こんなん)、
げんなりした気持ちで聴き始めたのですが、
宅建士の試験ががどういう試験なのかのガイダンスから始まりまして、
これが想像以上に面白いんですよ。
これなら、やれるかも。
そんなふうに思えました。
私は車通勤をしていて(朝約20分、帰りの夜は約15分)、
その間はCDに焼いた音声講義をひたすら垂れ流していました。
宅建の試験は大別しますと、
宅建業法・法令上の制限・権利関係(民法)の3つとなります。
それぞれCDに焼いたのですが、
宅建業法用のCDしか、私のボロ車のコンポは読み込みませんで。
運転中は宅建業法のCDが延々ループしていました。
試験日まで10回くらいは端から端まで聴いていたんじゃないですかね。
次に大澤先生がどんな話をするのかもうわかり切っているのに、
それでも楽しいし、ついつい聴いちゃうのがすごい。
自宅でも一応テキストは一周分、音声講義を聴きましたが、
何度も聴いたのは宅建業法だけでした。
あまりに素敵な音声講義だったもので、
問題集も同じシリーズで揃えました。
大澤先生は問題集を5回(5周)解けば受かると頻繁に音声講義内で仰っておられましたが、
過去問15年分収録されている中、3年分くらいを1回しか解かず、
また分野別問題集も宅建業法と法令上の制限を1回しか解けず、
権利関係の途中で力尽きました。(400/555問くらい)
5周したら、そりゃ受かりますわ。
ただ、私は宅建業法の音声講義はアホみたいに聴き続けた甲斐もあって、
問題に慣れさえすれば、バカスカ点が取れるようになっていました。
宅建の試験は50問中20問が宅建業法でして、配点が大きいのですね。
実際の試験、自己採点では19/20でした。
法令上の制限は7/8、権利関係6/14。
その他諸々を合わせて38/50。
法令上の制限も思いの外取れており驚きましたが、
どうやら今年はかなり易化していたようです。
合格ラインも過去最高の37点。ぎりぎりでした。
ぎりぎりとはいえ、合格は合格です。
やりました。
やってやりましたよ。
後から知ったのですが、
私以外にも今年は弊社の後輩が2人受けてて、2人ともちゃんと合格したようです。
あっぶねぇ……。
これで私だけ落ちてたら完全に晒し者じゃん……。
そもそも試験日の一週間前の土日が泊りがけのゴルフコンペになった時点で(2ヵ月前くらいに決定)、
あ、これ詰んだわ、絶対落ちたわって思って手を抜いてしまって。
はっきり言って記念受験気分だったんですよ。
一週間一度もテキストを開かないなんて期間もザラでした。
やったと言えるのは宅建業法の音声講義を聴き続けただけ。
(まして他のテキストは触れてすらいません)
それでも、合格させるのだから、
大澤先生はすごい方だなと思います。
勉強に対するハードルが滅茶苦茶下がるんですよね。
辛くないんだもの。
面白いんだもの。
宅建は難関資格とは言えないかもしれません。
3日、1週間、1ヵ月それくらいで受かった人もネットの海では見かけます。
しかしながら、曲がりなりにも国家資格であり、毎年合格率も15%前後。
6人受けて5人が落ちる試験でもあります。
ですから、毎年落ちてしまうなんて方もいらっしゃるかもしれません。
そんな人や、これから宅建やってみようかなと思っている人は、
一度でいいから大澤先生の講義を聴いてみてください。
きっと得られるものがあると思います。
是非一度ご検討願えましたら重畳に存じます。
さてさて、私は実務経験がまるっきりないので、
登録実務講習を受けようかと思います。
この講習を修了しますと、2年間の実務経験があるのと同等の扱いとなり、
宅建士として登録され、その後申請によって宅建士証の交付となります。
そこでようやく宅建士を名乗れます。
登録料が37,000円かかったり、必要書類を集めたりと手間や費用はかかりますが、
折角の機会ですからね、最後までちゃんとやろうと思います。
そんなこんなで日をまたいでしまったのでこのへんで失礼致します。
それでは、また。
レディ・プレイヤー1 感想
前回は記事内で目次を設定したりと気合が入っていましたが、
今回はそこまで長くするつもりはないのでシンプルに進めていきたいと思います。
観るに至った経緯。
先週色々あって上京したんですよ。
kainatsuさんの音の絵ってものを観賞したり、会社の人と集まったり。
そこで会社の後輩くんに、
「『レディ・プレイヤー1』観ました?」って訊かれて観ていないと答えると、
観た方がいいと、前知識がなくても楽しめると説明され、
そこまで言うなら観てみますかねという気持ちになったのが先週の日曜日のことでした。
そもそも私はそんなに映画を観るほうの人間ではなく、
『この世界の片隅に』を公開日に観に行って、その後もう一回観に行ったきりですし。
(その前が『君の名は。』と『シン・ゴジラ』吐き気がするほど分かりやすい人間ですね、私)
そんでこの前の金曜日、思いの外早く仕事が終わったので、
映画館でも寄るかと思い立ち、渋滞のせいであわや遅刻かというところで滑り込みセーフ、
スーツ姿でクレミア(コーン部分がラングドシャになってるお高めソフトクリーム)片手に観賞しました。
……え、嘘でしょ。
冗談キツイわ……おい、これ、めちゃくちゃ面白いじゃねーか!!
観終えてすぐに会社の後輩に感謝の言葉をLINEで送りつけたほどですよ。
これは確かに、面白いし、人に薦めたくなるし、
久し振りに映画の感想書くかーという気になってしまいますね。
簡単なあらすじ
時は2045年。世はまさにVR(バーチャルリアリティ)時代。
VR世界の<オアシス>にログインしてしまえば、アバターは自由自在。
どんなものにだってなれる、素敵な世界。
そんな世界を作り出したジェームズ・ハリデーはこんな遺言を残した。
「オアシスに隠された3つの謎を真っ先に解いた人物に、
全財産の56兆円とオアシスの運営権を託す」
世界が湧いた。
莫大な遺産をめぐって、壮絶な争奪戦が始まった。
そんな戦いに身を投じる一人の若者、ウェイドがこの映画の主人公。
はたして彼は、ジェームズ・ハリデーの後継者となれるのか!?
みたいな感じですよ。たぶん。
ちなみに私はこんなあらすじすら知らず、
着の身着のまま気の向くままに赴いたので、冒頭に2045年とテロップが出たとき、
(そんな話なのん……知らんかった……)
ってなりました。
観終えての感想。
観終えて真っ先に浮かんだ言葉は、「卑怯」でした。
「ずるい」に置き換えてもいい。
だって、こんなの、
面白くないわけないじゃん!?
圧倒的物量とスピード。
こっちがその意図を汲み取ろうとするときには次の弾が放たれていて、
矢継ぎ早でこれでもかこれでもかとネタをぶっ込んでくる。
こちらはただただ口を開けてボディブローを打たれ続けるしかない。
面白いと思ったものを全部詰め込んで全部載せで山盛りにして、
それを眼前にドンと突き出されて、
どうだ、面白いだろう?
と言われているように感じました。
私は悔しさを滲ませた表情をしつつも、黙って頷くのでした。
というか最早お手上げばんざーい。死ぬまでハッピー。
アヘアへダブルピースをキメちゃいます。
冗談はこれくらいにするとしましても、
問答無用で、理屈抜きで、頭空っぽにして、楽しめます。
『レディ・プレイヤー1』は、楽しませることに特化した、
極上のエンタメに仕上がっており、
改めてスピルバーグ氏は、生粋のエンターテイナーだなと感服仕り候。
80年代のネタがてんこ盛り過ぎで、
わからないネタやギミックが死ぬほどあるんですが、
わからなくても十分面白いので、
わかると余計面白いくらいの気持ちでいたらいいのかなーと思います。
なので未観賞のそこのあなた。
是非劇場で観てみてくださいね。
そんで私と意見交換しましょう。
是非是非。
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こっからはネタバレ有りの感想を書きますので、
未観賞の方々はお戻りください。
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この作品、めちゃんこ面白いのは言うまでもないのですが、
全体的に粗もある気がします。
例えば最初のコンテストのカーレース。
映像の迫力は言うまでもないですし、
キングコングや他にもお馴染のキャラや車が出てきたりと盛りだくさんですが、
攻略法には疑問が残ります。
あのコンテストを発見してから何年かは忘れてしまいましたが、
これまでの5年間で誰も逆走を試みていないというのは不思議です。
どんなマイナーなスマホゲーであっても、ランキング上位陣はアホみたいにやり込んでいたりして、
とてもじゃないけど生半可な覚悟では太刀打ちできなかったりします。
まして全世界の、ほぼすべての人間がログインするVR世界であり、
その内の多くの人が挑む謎なのですから、あらゆるアプローチを試みていると考えるのが自然です。
バグや隠しコマンド、隠しマップ、意味もなく壁に当たり続けたりする人物がいてもおかしくないでしょう。
逆走だって然り、です。
そこに隠された意味やヒントに気付けなくても、
逆走するだけなら誰かしらやっていそうなものです。
なのに、主人公のジェイドが初っていうのは、どうなのかなーとか。
あとは、やはり如何にアルテミスに惚れ込んでいるとはいえ、
名前をあっさり明かす辺りは不用心過ぎますね。
プライベートチャットルームで(基本的に他者には聞かれないような状況下で)名前を明かしたものの、
敵組織が違法な手段で傍受していて個人が特定される、辺りがよかったのではないかなと。
そのくらいの落としどころのほうが、敵側の脅威度が伝わってくるし、
主人公がそこまで間抜けっぽくならない気がします。
他にも、現実世界でのアルテミスやエイチらが存外近くにいて助けてくれたり、
アルテミスがリアルでも文句なしの美人さんだったり、
ご都合主義っぽく見えてしまうことはぶっちゃけ結構あるんですよ。
でもね、ここで仲間全員がネカマだったりその逆だったり、
実はスパイで敵側の組織の一員で、ここぞというときに裏切ったりされたら、
絶対に2時間ちょっとじゃ収まらないし、それだけで別のお話作れちゃうでしょ。
この映画はそういう細かいところを敢えてスルーして、
そんな些細なことはどうでもいい、
これでいいのだ!と振り切って、全力で駆け抜けているからこそ、
とてつもないパワーを有していて、溢れんばかりの魅力に満ち満ちているのです。
少なくとも私はそう思います。
話の流れ的にはジェイドが謎を解ききって、幸せを手にして、大団円で終わるのだろうと、
結構早い段階で予想がつきます。
そういう王道な造りになっています。
それでもちゃんとハラハラドキドキできるし、
ワクワクするし、次は何が飛び出すんだろうと期待して、
きちんと期待以上の形で返ってくる。
素晴らしい。
エンタメの映画として、これほどのものはそうそうないんじゃないでしょうか。
と思うのは、私の映画遍歴が貧弱だからなのかもしれません。
そうじゃないのかもしれません。
どうであれ、楽しくて面白くてあっという間の2時間ちょっとでした。
観てよかったと思えました。
それでいいじゃありませんか。
おまけ要素。
次の日に原作(小説)の文庫本(翻訳上下巻)を購読したのでその感想もちょびっとだけ。
原作をこれから読むつもりの方は、ネタバレとなりますので避けた方が無難かと存じます。
原作は主人公の描写が殊更に多いですね。
それに映画には見られなかった場面が多々あります。
大きな違いは、3つのコンテストの内容、その進行状況、ダイトウの死でしょうか。
原作のジェイドは結構自信家で自惚れがあって、嫌なヤツ感が若干あります。
知識をひけらかして鼻につくあの感じ。
結果を出しているから、わからんでもないのだけれど。
コンテストの内容は原作の方が納得できるだけの難解さと駆け引きが存在していたものの、
じゃあこれを映像化して面白いかと言われれば、そりゃもう地味で、
全然動きがなく、退屈になってしまうことでしょう。
他にも最終局面では皆バラバラの地にいる中、オグデン・モローの手により集結し、
安全な場所に移動してから決戦に臨むというのは違和感なく読めましたし、
25セント硬貨の取得の仕方も、原作のほうが自然でした。
と言いますか、尺が違い過ぎるだけあって、
原作のほうがずっと緻密に練り上げられており、説得力がありました。
それは文章だからなのだと考えます。
言葉だけで虚構の世界を描き出すのだから、いい加減な言葉では支えられず、耐えきれない。
それだけの言葉を積んで、組んで、説得力を紡いで、読者を納得させる必要があるのです。
そしてこの原作は、それを成しえていると思いました。
SFに触れ慣れていない私にとっては、ですが。
しかしながら、映画は映画で、
この原作からあの映像を作り出したことは、驚嘆に値すると思います。
オアシスというVRの夢のような世界を、あれだけ魅力的で、
行ってみたいと思わせるように作れるんですからやはりすごい。すごいよ。
映像の説得力が尋常じゃないんです。
原作には原作の、映画には映画のよさがある。
そんなことを思いました。
てなわけで、日付が変わる頃までに感想を書けて満足しました。
明日からのお仕事に備えてそろそろ寝ます。
それでは、また。
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ランス10 感想
※デカい画像をバカバカ貼ったので重くなっています。
※ごめんなさい。
※あまりに酷いようなら修正する日が来るかもしれません。
どんな感想を書くべきなのか、悩みますね。
ただ、真っ先に一言。
最高でした。
それだけは、間違いございません。
これまでのランスシリーズで私がプレイしていたのは、
鬼畜王ランス、ランス6、戦国ランス、ランス9です。
中途半端ですよね……。
そんな私が書いた感想なので、間違って受け止めていたり、
理解している箇所があるかもしれませんが、そのときは何卒ご教示願えたらと存じます。
ともあれ、ランス01,02,03と5D,クエストとマグナムは積みっぱなしなので、
いいかげん、折を見てプレイしたいと思います。
私をランスシリーズに誘ったのは、戦国ランスでした。
例に倣って、今は亡きパソコンパラダイスで得た情報に釘付けになったのです。
受験では世界史を選択したものの、戦国時代の武将の話はまあ人並みに好きでしたから
だって、徳川家康が本当に狸なんですよ。
四国が死国だったり。
これらのビジュアルに惹かれたのと、 あとはランス世界の設定というか世界観ですね。
才能限界のシステムだとか、魔王、勇者、魔人などなどなど。
ここら辺は公式ホームページに大変細かく解説されているので、
是非とも見てみてください。
わくわくしませんか?
エロ抜きのランスが成り立たないとわかっていて尚、
日陰でひっそり存在していることが勿体なく思えてしまうほど。
興味が持てたら、やってみて欲しいです。
導入としても戦国ランスは優秀だと思いますので、オススメですよ。
というかランス10から入って全く問題ないですけどね。
かなり丁寧に過去の解説を盛り込んでくれているので。
そんなこんなで、私は他にも鬼畜王やったりなんだりして
深みにハマったのでした。
そしてこの度、シリーズ最終章のランス10を発売日にゲットし、
約二カ月もの月日をかけて、一応最後までプレイすることができました。
めでたしめでたし。
▶目次にもどる
私は全然やらんのでなんとも言えんのですが、
俗にいう、スマホゲーのような、カード収集と育成をメインとしております。
バトル画面は↓のような感じ。
確定キャラの入手イベントはあれど、
結構運要素というか、引き要素も攻略上、重要になってきます。
最初はなんのこっちゃって感じで、
チュートリアルっぽいのが始まってもなんとなくしかわかりません。
習うより慣れろって感じです。
数ターン(1ターンがとてつもなく長いぞ!)こなしていく内に、段々とコツが掴めてきて、
どんなキャラが強いのか、どう進めていけばよいのかが、自ずと見えてきます。
単調そうに思えて、その実、奥深い。
こいつは面白いですよ。
公式が掲げているように、難易度は高く、かなり厳しめです。
よっぽど上手い人じゃないと初見で王道クリア(クリアA√)は出来ないんじゃないでしょうか。
私は当然、ナチュラルにバッドエンド直行でしたもん。
それもそのはず、このゲームは周回クリアを前提としており、
バッドエンドを積み重ね、周回ポイント(その分、有利に進められるボーナスが付与できる)を蓄積し、
「強くてニューゲーム」を行うことで、正規√クリアを目指す構造となっています。
カードの引継ぎはできないのが、なかなかに口惜しいのですが、
だからこそ、一筋縄ではいかず、絶妙なバランスに仕上がっているように感じます。
第1部の最難関はやはり大規模侵攻でしょう。
2枚抜きを多く成した上で、【大規模作戦準備中】のイベント制圧が必須。
個人的にはリーザスの2枚抜きが難所でした。
シルキィさん堅過ぎんよ〜。
上杉謙信でバフかけて、ポロンの装甲破壊パンチで支援消してからの叩き込み。
ターン制限系は大抵キツかったですね。
全体通してよく頼っていたキャラは、
香姫、剣豪、ホーネット、ケッセルリンク(女)、
AP0攻撃勢(リック・ガンジー・ロレックス等々)です。
定石でしょうね。
はい、ここまでは正直、当たり障りのないコメントを並べてきましたが、
ここからはストーリーに言及しますので、
未プレイ者及び、未クリア者はブラウザバックを所望します。
戻ってください!
絶対に戻ってください!
はい。それでは本筋に触れましょう。
第2部の存在について。
クリアA√は複数ございますが、その過程で諸条件を満たすと、
第2部がプレイできるようになります。
第1部全体を10とするなら、1〜2くらいの体感ボリュームです。
第1部のクリアA√では、あらゆる不幸が折り重なった結果、
シィルは亡き者となり、ランスは魔王になります。
年号がリトルプリンセスのLPから、
ランスのRAと時代が移り変わりました。
第2部のスタートはいきなり15年後から。
ランスの娘、長女リセットの独白から簡単に現状が明かされた後、
この15年に起きた出来事が年表といった形で、
冒頭にずらずらと並べられます。
これってありなん?
新事実が突然ボカボカ頭を殴り続けてくる。
あまりの衝撃に、私は打ちのめされました。
ご存知のとおり内容が、かなりシリアスでしたので。
加えて、個人的にはこういった事実がありましたよとただ示すのではなく、
体験させて欲しかったなと思いました。
この15年をもっと見せて欲しかったのです。
魔王ランス側の視点と、人類側の視点で。
それだけ、ランスのいる世界やキャラクターが、とてもとても魅力的だから。
彼らの苦悩、生き様を、もっと見届けたかった。
もしかすると、その辺りを補強するお話がこの先、現れてくれるかもしれません。
そうだと嬉しいですね。
期待せず、待ってみたいと思います。
さてさて、そんな第2部の主人公はエール・モフス(「エール」は変更可)です。
エールは、法王クルックーとランスの間に生まれた子です。
最初は男パターン2種類の内から片方を選択する仕様ですが、
1度クリアすると女パターン2種類も選択でき、
女キャラを選択すると、作中で若干話が変わってきたりします。
裸族王バファムーンの全裸結界のシーン(←文章にしてるとひっどいな 笑)や、
最終決戦前に訪れる、にぽぽ温泉街の温泉宿での入浴シーン(女子風呂CG有り)が、
わかりやすい変更部分でしょうか。
他にもちょこちょこ変わっていて、整合性を保っています。
男湯↓
(↑女湯 右端のスシヌかわいいですよね。眼鏡ないほうが……)
エールは母親のクルックーに嗾けられ、旅をします。
大きな目的は、5つのオーブを集めること、魔王の子と呼ばれる仲間を集めること、
そして魔王ランスを倒すこと。
おお、王道RPGっぽい。
冒頭のシーンはドラクエIIIのリスペクトだという意見を見かけました。
誕生日が旅立ちの日ですし、 何より『ひのきの棒』と『冒険者の服』を渡されますからね。
そりゃあ、そうだ。
あと、オーブ集めもかな。
ってなわけで仲間を集めて旅を続けて、魔王ランスを倒すのですが、
何故、「魔王の子」を集めるのかが、旅の途中で明かされます。
身内のゴタゴタは身内で片付ける、という簡単な話ではなく、
そこにはちゃんと理由がありました。
ランスに才能限界がない(∞)ように、
「魔王の子」は同様に、才能限界がなく、際限なく、強くなれるからです。
つまり、魔王に勝てるとすれば、「魔王の子」であり、
「魔王の子」は、人類の希望そのものなのです。
当然、エールもその内の一人です。
ただ、この「魔王の子」はかなり際どい存在でもあり、
ランスが魔王化し、人類に甚大な被害をもたらした結果、
その子供らを危険視する勢力が現れたのです。
今はよくても、いつかは人類を裏切って魔王(親)側につくのではないかという危惧、
そうでなくても、才能限界のない強大な力(バランスブレイカー)は、 存在するという、
ただその一点だけでも、大きな意味があり、
それを排除しようとする思想が生まれることは、自然なことなのでしょう。
この辺りを読み進めていて思い浮かんだのは、「 スパイラル 〜推理の絆〜」です。
お前、なんでもかんでもスパイラルに結びつけるんじゃねーよ! と、
私のブログをよく読まれる方は思うのかもしれません(そんな人いるかしら?)。
ですが、まあ、思ってしまったものは仕方ないですよね。
スパイラルを読んだことがなくスパイラルのネタバレを喰らいたくない方は、
反転部分をすっ飛ばしてください。
【追記】
「魔王の子」の才能限界がない設定はマグナムで示されたことや、
鬼畜王では「魔王の子」が3人までのことから、こじつけが過ぎる、という意見を頂きました。
ご意見は大変貴重ですので、私も真摯にその意見に対し向き合いたいと考えます。
まず、私はパクっているといっているのではなく、
影響を受けた可能性を申し上げているに過ぎず、何から何まで似通うとは思っていません。
構図が似ていると申し上げているのです。
「創造神」と「造物主」、「魔王や魔人の無敵結界」と「神と悪魔は例外を除いて殺せない」
ここまできたら、そんな特殊な人物の子や血筋が「特別」である可能性に触れるのは、
そんなに不自然なのでしょうか、そこが合致するのを、時系列を理由に否定するのは弱い気がします。
また、反対に、「魔王の子」の設定が「スパイラル」の影響を受けていたとしても、
不思議はありません。かなり売れたらしいですし、有名な作品ですからね。
それでも、こじつけに思われたり難癖に思われたり、考え過ぎ、なのかもしれません。
これについてははっきり言って確かめようがないですし、
単純に符合が多かったそれだけなのかもしれません。
ただ、「構図が似ている」という事実は間違いないので、一意見として残したいと思います。
【追記終わり】
さて、そんなこんなで旅の果てに、
魔王ランスと対峙するのですが、勝てない。
けれどクルックーには秘策があった。
リトルプリンセスに氷漬けされたままのシィルの氷像を魔王の眼前に用意し、
魔王の力で溶かせるという秘策が。
上手いことリセットビンタがヒットし、
魔王ランスを正気に戻し、氷像を溶かせることに成功。
もう大丈夫
って、めっちゃいいシーンなんですけど、
戦国ランスで氷像にされたはずだから、 シィルは裸じゃなくて和服のはずでは……?
あれ?
あれれ?
おかしいぞ???
※と、思ったのですがこの記事を読んでくださった方から、
「マグナムやっていれば凍ったシィルが裸な件は分かるのと、クルックーへの理解も変わります」
とご指摘を頂きました。ありがとうございました。
理由がちゃんとあるようです。大変失礼致しました。
プレイしたいと思います。
クルックーへの理解が変わる、というのも気になりますしね。
話を戻します。
バードにやられたシィルの体は(↓これ)、
実はIPボディ+シィルの魂だったと判明。
5ターン目の頭で、毎回シィルの魂が抜け出るイベントが起きますよね(↓)。
何回も周回してるとうざってーなー。
なんのためにあるんだよ、これ?
とか思っていたのですが、この辺りは伏線というか、
前振り、だったんですねぇ。
それでも、なくてもいい気がしますけど。
閑話休題。
その後は魔王と魔王の子の会談。
クエルプランの襲撃、討伐。
魔王システムの破綻。
仲間との別れ。
実家への帰宅。
最後の最後。
エールは創造神ルドラサウムの化身だったと種明かし。
答えならばもう聞いた。
『楽しかった』と。
「あなたは」なんて意味深長な、二人称小説のような体裁を整えていたのは、
今までのランスの物語のように、ランスの傍にいるような、
ランスと一緒に冒険しているような形式とは一線を引いて、
プレイヤー自身が冒険をしているような、没入感を高める仕組みだと思いつつ、
それだけにしては、三人称からわざわざ切り替える理由には弱いわな……、
なんてことを思っていたのですが、
まさかこんな叙述トリックが仕込んであったとは思いませんでした。
その伏線は、しっかり織り込まれていたのです。
神異変が起きたにもかかわらず新しい神魔法を呪文書を見ただけで習得できること、
勇者ゲイマルクを成仏させられたこと、だとかでしょうか。
創造神だからぶっちゃけなんでもありなんですよね。
魔剣カオスが持てたり、聖刀日光と契約してなくても扱えたり。
なんでだろうと疑問には思っても、
まさかルドラサウムそのものだとは思い至りませんでした。
これは素晴らしい落としどころだったと思います。
鬼畜王ランスにおけるルドラサウムエンドも上手いなぁと感心したものですが、
今回も同じネタというわけにはいかないだろうし、どうするんだろうと思っていただけに、
ここは、本当によかったと思います。
あとは、ちゃんとランスにとってシィルが特別であることを、
きちんと貫いて、一貫性があって終わったのもよかったですねぇ。
やはり、あのシーンは名シーンです。
それと、なんで志津香とナギまで才能限界なくなってるん?
と不思議に思っていたのですが、
「親友は志津香&ナギ」√でその謎は明かされております。
もうめんどいから画像を貼り付ける!
そういうことね!って感じです。
このシーンは、心がほんわかする、いいエピソードでした。
さてさて、それなりにあれこれ申し上げてきましたが、
総括してみますと、第2部のストーリー自体に不満はないのですが、
第1部に比べるとやはり駆け足感が強いですし、
一方通行的で、戦闘も単純作業化してしまっているのは残念でした。
もっと枠を広げて、自由度があったほうが、
ルドラサウムに「冒険」を伝えられたのではないかなと思うんですよね。
クルックーがオーブを隠していたというのも、
どこかスタンプラリー的というか、
敷かれたレールの上を走っている感が拭えないじゃないですか。
ボリュームがあれだけあって、それ以上を求めるのは酷というものなのかもしれません。
それでも、そこまで突き詰めてもらえたら、 文句なしだったのかなと、個人的には思います。
素晴らしい大団円でしたね!
私ハッピーエンド好きとしては、これ以上ないってくらいの着地点。
ゲームバランスいい、ストーリーいい、キャラいい。
どれもが最高。
鬼畜王ランス、戦国ランス並。
時間を忘れてプレイしてしまいましたもの。
百点満点の花丸です。
強いて言えば、シリーズ最終章と銘打っているだけはあり、
敷居が高い印象を持たれそうな懸念がありますね。
実際は世界観や過去の歴史についての解説がこれでもかってほど充実してるので、
ここから飛び込んでもらって全然いい造りになっているのですが、
それが上手く伝えられるかどうか……。うーん。
とにかくいいゲームでした!
素晴らしい作品を生み出してくれたことに、最上級の感謝を。
ありがとうございました!!
最後に好きなキャラ(特にキャラデザ)を幾つか挙げます。
全体的に好きなキャラが多過ぎるので、ほどほどに今思いついたのだけ。
取り敢えず、今回一番ツボったキャラデザは魔人リズナさん。
エロかわいい。
衣装最高過ぎる。
人気投票は魔人リズナで入れてきましたよ、私。
その次、クエルプラン様。
神々しい。
束の間の人間バージョンもいい。
人間バージョンの胸元にあるのは、
ブローチじゃなくて懐中時計かな。なんかそれっぽいデザイン。
はいこちら複製の色紙でございます。
クエルプランかわいい。
ついでにキャンバスアートと一緒に。
手前がエロゲ箱なので、デカさがよく分かりますね。
色んな絵柄があったんですが、 お値段と部屋のスペースの都合上、1個が限界だなと思い、
悩んだ末、これにしました。
ランス10のパッケージ絵、大集合って感じで好きなので、
いい選択だったと思います。
魔人ホーネットさん。
美人さんですね。
最初はそっけないけれど、人間への理解を深めるにつれ、
認めるべきところは認めてくれるように変化するのがポイント高いです。
あと強い。
魔人シルキィさん。
第2部でずっと手を振ってくれるところとか、
英雄時代のエピソードが琴線に触れます。
キャラデザもいい。
魔人ワーグさん。
かわえー(思考停止)。
ウルザさん。
戦国時代からずっと好きでした。
CG拾うために久し振りに戦国やってみたら、
ウルザさんのステータスかなり高めてて笑います。
第2部ナギさん。
あの子があんなふうになるなんて。
いやぁね、鬼畜王だとかランス6だとかランス9思い出すと、
よかったなって。心の底から思えますよ。
リセットさん。
姿が変わんないのちょっと可哀想かな。
かわいいけどね。
乱義。
戦国ランスのIFシナリオの五十六√の最後、
乱義くんが出てくるわけですよ。
十年くらい前にプレイした彼が、
青年の姿で現れる。
3Gじゃないけども、感無量ですたい。
いい男になったなぁ。
香ちゃん。
第1部の獅子奮迅の活躍はさておき、
美人さんになるのは確定でしたが、
まあ立派になって。
戦国ランス正史√の終わりを読み直したら、
あんなちっこい子が、本当に立派になってねぇ……。
っていうかもう本当、月日の流れを感じるっていうか……。
あの頃の私、
学生だったんだよね……。
……。
ノア・ハコブネさん。
あたい、金髪に弱過ぎる……。
ヌーク77さんこと、ダークランスの嫁さん。
キャラデザ半端ないし、
元天使なのに気取ったところがないのも素敵。
悪魔と堕天使。いいコンビです。
ダークランスさん。
理想的なお兄さんになって微笑ましー。
こんなお兄さんが欲しかった。
第2部になって一番株を上げたのは彼ではないでしょうか。
強いし、優しいし。
ここまでやって、大分疲れたのでこの辺で勘弁してください。
画像加工する気力がなかったよ。
バカ重いページになってしまいました。
ごめんなさい。
あまりに支障を来たすようなら、修正します。
思いの丈が書き切れていない気がするので、
読み直して、そのうち赤を入れると思います。
たぶん。
最後の最後に、こんなところまでお付き合いくださり、
誠に、ありがとうございました。
自堕落ブログで恐縮ですが、
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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たまにはブログを更新したいなと思いつつ、
なかなか時間が取れなくて幾星霜。
雪が舞っている中、外に出たくない三連休最終日、
ここでやらなきゃ当分機会は回ってこないなと思い、
久々にキーボードをカタカタさせています。
(……けど、実際に記事をアップしたのは翌日です。ごめんなさい)
さて今回は、タイトルにもあるように、
茶太さんの好きな曲を挙げていきたいと思います。
思えば、私が茶太さんを知ったのって、
たぶん2005年の、よつのはのショートバージョンを聴いたときなんですよね。
茶太と書かれていたから、男性なのかと思いきや、
透き通るような澄んだ歌声で、思いがけず沁み入り、聴き惚れてしまいました。
それから今日まで、出来る範囲で追っかけてきました。
今が2018年の2月なので、干支が一周してしまうくらいにはファン歴があります。
ここいらで改めて、振り返ってみるのも一興かなと思いつき、
好きな曲をつらつらと並べていこうかと考えた次第です。
ただ際限なくやっていても終わりが見えないので、
取り敢えずよく聴き直したりする、好きな曲を、
20曲にまで絞って、ご紹介してみようかと思います。
順位をつけるのはしんどいというか、
個人的に難しいので、順番は気にしないでもらえるとありがたいです。
順不同です。
最後に!
応援を兼ねているので、
違法アップロード感全開の動画サイトへのリンクは貼りません!!
ショートバージョンだとか試聴レベルだったり、
本人が挙げているようなリンクは見つけられたら貼ります!!
気になったら各自で検索してね!! (それくらい楽勝でしょ……)
01.よつのは 各方面に音源があるものの「茶太 Work Best」が一番手に入れやすい?
地元の書店で今は亡きパソコンパラダイスを購入し、
「よつのは」なるエロゲの存在を知りました。
絵が好みだったためOHPにアクセスしてOPを視聴。
感想は上記に既にあるとおりですが、ぶっちゃけ惹かれたわけです。
当時は春か夏の辺りで、その年の夏コミで初めて同人音楽CDを買いました。
souleaveのlivingですね。
これも素敵な円盤なので興味がありましたら是非に。
02.Rain ウサギキノコ「eclipse」収録
※リンク先のクロスフェードで聴こう!
茶太さんが作詞・作曲です。
茶太さんの曲の中で、一番好みかもしれません。
歌詞から滲んでくる切なさのようなものが、
茶太さんの歌声にとてもよく合っていて、胸の奥深くまで響いてくる。
03.泡沫 -ウタカタ- Barbarian On The Groove (以下BOG)「Dragon Valley -Arco-Iris-」収録
曲調はアニソンのOPとかに使われてそうな感じで、
こういうの、子どもの頃から好きでしたから、ツボですね。
どんどん昂ぶっていく展開に身震いします。
確か受験生の頃に出た曲なので、自習室でよく聴きながら勉強していましたし、
通うことになった大学の試験会場に向かう途中でも聴いていた記憶があります。
あれからもう十年かぁ……。
04.燐光 BOG「Petroglyph」収録
泡沫 -ウタカタ-と同じbassyさんの作曲で、同時期ですかね。
ゆったりとしたベースと茶太さんの歌声にしんみりする一曲。
昔bassyさんが組んでいたagehaというユニットの「かくれんぼ」が、
原曲っぽいですね。これはこれでいい。
「何者でもない音楽」も大好きなCDです。
05.木洩れ陽スローカーブ solfa「虹色ポップス」収録
タイトル勝ちしているとさえ思えるのですが、
イントロと歌い出しでもう文句なしに「間違いない」という確信を得ます。
全体的に漂うノスタルジックさがいい。
06.手 my sound life「fundamental」収録
茶太さんと言えば、可愛らしい歌声を想像する方も多いかもしれません。
「恋をしよーよ」とか「うたたね」とか「カレーの唄」とか。
そこら辺も大好きなんですが、個人的には「手」を推したいです。
この曲は可愛らしい感じと、
思春期特有のぎこちない恋愛・感情が伝わってくる歌詞とのギャップ。
これ。
これです。
07.ないないな 「なないろ」収録
これは歌詞が好きなんだ。
それだけなんだ。
それ一択。
ごめんねと書いてみた 無地の便箋で
飛行機を作ってみたんだ
飛ばせないけど
これなー。
いいなー。
7曲目のここに至って、文章を書くのがしんどくなってきてるの、
ばれちゃってますね……。
08.かえりみち 「空の記憶」収録
切々感。
もうお気付きでしょうが、
私、茶太さんのこういう歌声が琴線に触れるんですよね。
09.(笑) ウサギキノコ「落日」収録
孤独に(笑)を足してみる
この出だしは狡くないですか。
曲調・詞・歌どれもが密接に絡み合っていて、
解けない糸のよう。
切り離せないんですよ。
10.雪影 「Winter Mix Vol.4 Blue Version」収録
ideaって息してるん?
ともあれ、冬に聴きたくなるような、冷気を帯びた鋭利さというか、
冴え冴えとした感じの曲調。
ちなみに、Winter Mix Vol.4には素晴らしい曲がたくさんございまして、
「Blue White/mi:cs(i.o.sound)」
「透明/ピクセルビー」
「春恋桜/水月陵(にゃん工房)」
ここら辺は外せませんね。
特にピクセルビー全曲の中でも「透明」は五指には入るんじゃないかなと思っています。
おすすめです。
11.駿太 CLOCK MUSIC「駿太/雪の轍」収録
リンクらしいリンクが見つからねぇ……。
検索して聴いてみて!! 本当にいい曲だから!!
nkさんの詞とぺーじゅんさんの曲、
そこに茶太さんのウィスパーボイスの複合技。
どれが欠けても成立しえない。
また、CLOCK MUSICの新曲が聴きたいなぁ……。
12.入道雲とわらべ唄 「命短したたかえ!乙女 オリジナルサウンドトラック」収録
試聴できる場所見つからぬぅ……。
駿太と同じ布陣ですね。
nkさんの言葉選びというか語感の凄さに痺れます。
なんというか、時代がかった言葉をチョイスしつつ、
しっかり現代風にも仕上がっているというか。
そして口遊みたくなるメロディーと、
茶太さんの慈愛に満ちた歌声が、
世界観をより強固にしていく。
このCD何枚売れたのか分からんですけれど、
埋もれてそうな気がするのが残念です。
13.空の記憶 「空の記憶」収録
表題曲。
茶太さんらしさが歌詞に詰まっているように思います。
間奏に、「たぶん青春」のイントロを織り交ぜてくるのは、
ファン心をくすぐる、いい試みだと思います。
同じ作曲者ならではですよね。
改めて、ぺーじゅんさんの新曲聴きてぇなーこんちくしょう。
14.青年28歳 bassy「現代ボップスB」収録
歌詞の切実さと感慨深さと茶太さんボイス。
かくいう私、今28歳です。
今年29歳です。
刺さるんですよ。
期待通りじゃないけれど 別に悪くない
概ね、そんな感じなんですよ、はい。
あと、今知ったんですけど、この可愛らしいジャケットを手掛けたのは、
かぐや様は告らせたいの赤坂アカさんだったんですね!?
大好きなマンガなんですがまさかずっと前から見知っていたとは……。
15.片想い CLOCK MUSIC「CLOVER ALBUM」ないし「ちゃたのわ」収録
この動画だけは禁を破ります……。
この映像とセットによる相乗効果、すごいから……。
音質はガタガタだからちゃんとCDで聴きましょう。
ハチミツとクローバーのイメージアルバム(二次創作)からの曲。
まあ、完全に山田さんの心情が詞になっています。
原作を知っていると、この曲から沸き立つ感情が二倍にも三倍にも膨れ上がるかと。
原作の世界を上手に奏でている、と思います。
曲単体でも素晴らしいのがいい。
「CLOVER ALBUM」は全体的に凝った作りなので聴いて欲しいものですね。
16.- - ウサギキノコ「さびしんぼう。」収録
さびんしんぼう。の対になるこの曲。
続けて聴いてもらわないと、良さが半減してしまうかもしれません。
セットで。
セットを推奨致します。
私はペットを育てたという記憶がほとんどなかったのですが、
それでも、この曲に込められた思いには、感じ入るものがありました。
17.春の風 kaede.org.「桜」収録
春の息吹を感じられる一曲。
桜の花びらが舞っている中、木陰で佇んでいるような情景が浮かび上がってくる。
なんというか、「卒業」という言葉が相応しい。
春に聴きたくなる、しんみりと浸れる曲だなと思っています。
18.面影レイルバック データ配信されています。
ゲームやってないんで、歌詞は分かっても今一歩入りこめてないかも。
それでも曲はいい。
よつのはと同じ面子ですので、安心感がありますね。
今回挙げた中では一番新しい、比較的最近の曲です。
今でもぐっとくる曲がちゃんと出て来るから、追うのをやめられないんですな。
19.ワンダー・フルワールド bassy「ワンダー・フルワールド」
bassyさん作曲のなかでも屈指の名曲と勝手に思っている一曲。
跳ねるような曲調が聴いてて単純に楽しくて、
気分が高まっていくのが抑えられない。
泡沫 -ウタカタ-のように畳みかけてくる感じが堪らないですね。
更に申し上げますと「ワンダー・フルワールド」は他の曲も素晴らしいので、
是非お手元に置いて欲しい一枚です。
20.ライフパレード さよなら20代製作委員会「而立 〜さよなら20代〜」収録
「春の風」と同じmewlistさん作曲。
というか作詞もmewlistさん。
この曲は歌詞が難解で、何回聴いてもわかんなくて。
それでも優しさに溢れていることだけは確かで。
とにかく好きで好きで。
今年数えで30歳(而立)だから余計にそう思えるのかもですが。
昔っから好きでしたこの曲。本当に。
ってな感じで茶太さんって何回打ち込んだかしれない曲紹介はここまで!
茶太さんファンはみんな知っているであろう範囲で、
そこまでコアなチョイスではない気がしますが、
まあここらが今でもよく聴くラインナップです、ガチで。
私の好みがわかりやすい形で反映された選曲だなと我ながら思います。
ともあれ、これからも引き続き茶太さんの曲を追っていきたい、そう思います。
おまけ。
またね、さよなら 「りんごレストラン」収録
茶太さんオンリーじゃないんで20曲には含めませんでしたが、
これもいい曲なんですな、これが。
深くは語りませんが。取り敢えず。
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世界でいちばんNGな恋 ネタバレあり感想
ネタバレなしの感想はコチラです。
プレイを終えてから大分間が空いてしまいました。
これは単純に私生活で色々と無理が重なってしまった結果です。
なんとかして時間を設けようとするものの、
そこまでいったら体調崩して寝込んでまた仕事みたいな日々。
時間が経てば経つほどに記憶は曖昧にぼやけていく。
このままではいけない。
肉付けは後回しにしても、できるところまでアウトプットしようと思い立ち、
キーボードをカタカタさせています。
取り敢えず、各√毎に言及していきましょうか。
夏夜√
通称、2号ちゃん。
自分は二番目でいいからと自ら都合のいい女ポジションを取りに行き、取り入ろうとする。
その誘惑に甘えるか甘えないかで√が分岐する。
あれ、これ、WHITE ALBUM2にこんな感じのキャラがいたような……。
和泉千晶って、こんな感じで近づいてきたっぽくない? ねぇ?
風音さんボイス。いいです。
NaturalAnotherOne2nd-Belladonna -で触れて以来、風音さん大好き。
少し真面目な話をしますと、夏夜さんだけが、唯一、余所者と言いますか、
作中で主人公が偶然出会った女性です。
他のキャラクターとは、過去に面識があったり、
テラスハウス陽の坂に来た時点で、関わりを免れない人物でしたが、
夏夜さんだけが純粋な意味合いで、「偶然出会った」相手なのだと思います。
それ故か、本筋にはそこまで大きく関与することはなく、出会った勢いで恋仲になるか、
そうでなければフェードアウトするかの二択という印象でした。
だからか、キャラクター自体は魅力的ではあるのだけれど、
そこまでシナリオとしては楽しめなかったかなぁと。
けれど、基本的に恋愛って、
恐らくそこまでドラマティックにはできてなくて。
いつの間にか出会って、
気付けば惹かれ合って、
そして愛し合って、
という流れこそが普通なのであるならば、
これはとても自然で、上手く描かれているのかなと。
物語としてはさておき、ひとつの恋愛の形としては、
一番自然で、リアリティがあって、説得力があったのではないかと思います。
姫緒√
かなりあくどい商売で地位を築いた澤嶋不動産の箱入り娘。
クールを気取ろうとするも、実際は根っからのお人よし。
個人的に一番ツボったヒロインでした。
人気投票でヒロイン中、最下位だと……。
信じない。私は断じて信じないぞ!
そもそも金髪のお嬢様っぽいキャラに弱いんだ、私。
おたく☆まっしぐらのモデラー(原型師)とか、
エロマンガ先生の山田エルフ先生とかさ。
さて、シナリオについてなのですが、
主人公の誇張表現が少し目についたかなと。
これは個別入る前の共有部分ではありますが、
中堅の上場企業に採用されるのは問題なしとして、
入社してすぐさま、とある企業の粉飾決算に加担していると気付き、
告発できるものなのか、という疑問があります。
昨今はコンプライアンスうんたらで内部監査も多いですし、
上場企業なら当然監査法人の監査を受けます。
主人公が如何に有能であったとしても、
内部にいた他の人物がもっと先に気付きそうなものです。
利益を上げているのに、毎度不自然にマイナスが入ってとんとんなんて、
中で働いてる人たちが黙っちゃいられないでしょう。
ここは違和感強めでしたね。
平木課長(副部長)とクーデターを企てる辺りのやり取りはかなり好きなんですけどね。
すごーく好きなんですけどね。
後の展開で澤嶋不動産を相手取り、一泡吹かせる合併関連の話は、
あんなにスピーディに合併を行うのは不可能といった話もあるそうですが、
そこら辺は詳しくなかったので、あまり深く考えずに読んでいて、
それなりに納得していました。あははー。
あとは、あんなバツイチ男に娘はやれんぞ的なくだりに関しては、
個人的には頭取に、
「そんな自慢の娘が選んだ男なんだ、信じてやりなさい」的なことを言って欲しかったなぁ。
完全にそういう雰囲気だったと思うんですがねぇ。
姫緒さんはねぇ、お人好しで真っ直ぐで、
とにかく好きなキャラなんですよねぇ。
↓のシーンは√部分じゃないんですけど、とても沁み入りましたし。
さて、この√の最後の最後、美都子が実の妹かもしれないと匂わせつつ、
結局はっきりとはわからずに終わります。
個人的には、本当の異母姉妹ではないかと思うのですが、
その点はやはり、さして重要ではなく、二人が幸せであるかどうかが肝要なのです。
そういった視点に立てば、このEDはなるほど、二人とも幸せそうです。
おまけシナリオみたいな未来も十分にありえるのではないかと思います。
この先、困難が立ちはだかったとしても、主人公含めて三人で乗り越え、幸せを築く。
絵に描いたような王道。
いいじゃん。
いいじゃんね。
麻実√
元妻。
もしかしたら元妻が攻略対象のえろげってやった記憶ないかもしれません。
かなり異色なのでは。
過去にすれ違ってしまった理由は、子供を授かることができない体だったこと。
読み進めている内に、なんとなくそうなのかなと気付いていましたが、
勝手に主人公の理も既に知っていて別れたような気になっていました。
実際は知らされることなく別れていて、原因が判明し、元鞘に収まると。
元々好き合っていたのだし、麻美さん未練たらたらでしたし、
これはまぁ、なるべくしてなるひとつの帰結、といったところですかね。
理と麻美の会話シーンはすごくよくできていると感じました。
元夫婦らしい、他人が入ってはいけない、
くだけたなかにも信頼している、ツーカーのやりとりみたいなものが常にあって、
その空気感がたまらなくいい。
書こうと思っても、なかなか書けるものじゃなくないですかね?
丸戸氏は、やはり日常会話シーンの上手さが半端ない、と思わずにはいられませんでした。
あと、これまたWHITE ALBUM2の風岡麻理さんを重ねてしまうところがあったり。
ルックスだとか性格だとか、全体的に真理さんオーラを感じる。
美都子√
全てはここから始まった。
世界でいちばんNGな恋。
そりゃあね、少なくとも日本じゃ法に抵触しますからね。
愛があれば年の差なんて、と言葉にするのは簡単だとしても、
それを実行するためには、周囲とどう付き合っていかなければならないのか。
その点がかなり丁寧に掘り下げられており、方向性こそ違うものの、
本質的にはWHITE ALBUM2のかずさトゥルーを彷彿とさせました。
すくなくとも自分は似ている、と思いましたね。
この√の先でほのかさんが出戻って(?)くるのですが、
騙され具合はかなり引くレベルで、
いくらフィクションといえど、流石に厳しいように思えました。
最後に戻ってきて決着をつけるんだろうなとは読んでいましたが、
思いの外、横道逸れてしまった感は否めなかったかなぁ。
ともあれ、この√は美都子ちゃんが報われるお話なので、それだけで万々歳。
最後にとっておいたものの、他のヒロイン√だと、
悔しそうな美都子ちゃんを毎回見る羽目になって極めて辛かったので。
プレイした人にしか伝わらないのでしょうが、いやもうね、心が痛いんですよ。
罪作りって、こういうときに使うんでしょうね。
まあコメディと銘打っている以上、そこまで辛辣なシリアスには至らないのが、
WHITE ALBUM2とは大きく違う点と言えましょう。
美都子ちゃんは美都子ちゃんで、杉浦小春を想起させます。
無理やり結びつけているわけではなく、なんとなくそう感じてしまうんですよね。
今数年ぶりにやり直したらその思いが強まるのか弱まるのか、気になるところです。
総評。
いいです。
面白いです。
ところどころシリアスが挿入されますが、それはストーリーに深みを与えるためであって、
基本的には明るく楽しく元気よくな、爽快な作品に仕上がっています。
やり終えた後、快い気持ちになれる、いい作品でした。
点数をつけるなら85から90といったところです。
強いて難点をあげれば、BGMの種類がもう少し欲しかったのと、
質がもっと高ければ、より、入っていけたかな。
補足。
WHITE ALBUM2との類似点を幾つか挙げましたが、
他にも二年参りがひとつのイベントとして組み込まれていることも、
同ライターならではないかと感じました。
また、主人公の親の存在がひとつのキーのように描かれているのに、
全く姿を現さない点も同じだと感じました。
ここら辺をちゃんと書こうとすると、
両作品をやり直さないといけなくなりそうなので、
それは今後の課題とさせて頂きます。ごめんなさい。
そんな感じで、駆け足で拙いながらも、
一先ず感想を書き終えました。
もっと腰を据えてじっくり考察できたならよかったのですが、
いやもう本当に仕事でシャレにならんレベルで追い込まれていましてね。はは。
不本意ではございますが、ここまでが今の私の精一杯です。
時間ができて、気が向いたら手直ししようかなとは思いますが、
そんな日が果たして本当に来るのかどうか、それは神のみぞ知るってなもんです。
それでは、またの更新の際はどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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まずはいつものように、ネタバレをしない方向で記事を書きます。
歳の差カップルホームコメディADV第2弾
と公式が謳っているので、そこは明かしてよいのでしょう。
主人公は三十路一歩手前の28才(作中で29才を迎える)。
そしてメインヒロインは女子○学生。
おう……そいつは確かにNGですわ……。
あらすじについては公式ページのとおりなので割愛致します。
この作品は話数が存在し、
話が進む度にOPが挿入され「第何話 サブタイトル」と示されます。
第13話くらいまであるので、
つまりこれはアニメやドラマの1クールを意識した作りと思われます。
そういったものに触れて育ってきた私のような人間にとっては、
親しみやすく、入りやすい構造だと感じられました。
そもそもこの手のエロゲーというジャンルは、学園ものが非常に多く、
そうでなくとも思春期真っただ中の、ティーンエイジャーが主人公となりやすいです。
需要がそこにあるからと言えばそれまでなのですが、
残念な脳味噌をしている私なりにその理由を考えますと、
別名美少女ゲームとも呼ばれるエロゲーには、美少女が必須要件の不可欠事項と言えます。
そんな美少女との接点をなるべく違和感なく構築し、
あまつさえ、えっちぃことをする上では、主人公も似たような境遇であることが望ましいからです。
流石に40、50のオッサンが、美少女らに自然と好かれていくというのは無理がありますし、
共感もされにくいことでしょう。
だからこそ、主人公とヒロインは同じような立ち位置、
同じような目線で、寄り添うように描かれることが多いのではないでしょうか。
(まあ凌辱ゲーだとか抜きげーなんかはそういった縛りに囚われていない印象ですけどね)
とはいえ、その手のものはありふれ過ぎているのです。
使い古され過ぎたネタである以上、よほど上手く調理しないと、
あれ、これ、どっかで見たことある? なんてことになりかねません。
だから私は、社会人が主人公ってだけでも、冒険していると感じますし、
興味が持てて、面白そうだと思えてしまうんですよ。
本作は、実を言えば発売前からチェックはしていましたし、
当時プレイした友人はとても褒めていたように記憶しています。
しかしながら、実際にプレイするまで十年くらい経過しています。
何故なのか、私にもよくわかりません……。
受験生だったからかなぁ……。
ともあれ、プレイしてみると、そこはご高名な丸戸史明氏のシナリオ、面白いです。
会話が軽妙な筆致でさくさく読めるのに(特に怒涛の名古屋と岐阜のご当地ネタ、掛け合いが好きでした)、
締めるところは締めて、魅せるところは魅せる魅せる(画像を出したらネタバレになるので割愛します……)。
難しい話はどこにもないのに、深みはあるという。口あたりのいい日本酒のような味わい。
エンターテイナーってこういう人を指すんだろうな、と。
内容も内容なだけに、このままドラマになるんじゃないかってくらい。
作中で野島伸司の『高校教師』に触れていたのは印象深かったですね。
着地点やテイストは異なるものの、方向性だけ見れば似通っているのは確かでしょうから。
これと『未成年』は、やはり凄い作品だと個人的に認識していて、
よくお茶の間に流れていたものだなと感心します。大好きですけどね。
加えて申し上げるならば、WHITE ALBUM2の姿が不意にちらつくことでしょうか。
これはネタバレありのほうで言及したいと思います。
あとはー、音楽面がもっと充実していると更によかったですかね。
もう数曲BGMにレパートリーがあったらいいかな。
これ最高っていう曲もなかったのは残念。
ボイス面は文句なしに素晴らしかったんですけどねぇ。
脇役勢含め、掛け値なしによかったですよ。
総括。
噂に違わずやって損なし。
WHITE ALBUM2よりはずっとコミカルで明るい雰囲気なのでオススメしやすいですね。
ネタバレあり感想では、各√毎に感想をまとめ、
総評としたいと思います。今暫くお時間をください。
それでは、また。
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